新年度から相次いだ地震 防災対策の見直しは?
■この記事の情報は、2024年4月18日現在の情報です。
こんにちは。 レスキューナウです。
2024年の元日に石川県能登で発生した大地震が記憶に新しい今日この頃、4月も月初から岩手県や青森県、宮崎県で比較的大きな地震が高頻度で発生しており、新年度から不安な毎日を過ごされた方も多いのではないでしょうか。
また、大地震の発生は国内のみにとどまらず、4月3日には東日本大震災(2011年)の際に多くの義援金や支援が届いたことで有名な台湾でも最大震度6強の地震を観測しました。
そこで今回は4月に発生した比較的大きな地震を振り返り、新年度のバタバタが少し落ち着いてきた今だからこそチェックしておきたい防災対策のポイントをご紹介します。
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岩手県沿岸北部の地震(令和6年4月2日04時24分頃)
令和6年4月2日04時24分頃に岩手県沿岸北部を震源とする地震(マグニチュード6.0、最大震度5弱)が発生しました。
気象庁の発表によると、この地震では青森県の八戸市(はちのへし)・三沢市(みさわし)、岩手県の宮古市(みやこし)・久慈市(くじし)など、合計9つの市町村で震度5弱を観測したほか、北海道から関東甲信地方にかけて震度4~1を観測しました。
発生場所は岩手県沿岸北部で、震源の深さは71kmとされています。
また、今回の地震発生後に震度1以上を観測した地震の発生は2回発生しており(4月2日5時50分現在)、岩手県沿岸北部では長周期地震動階級2を観測しました。
この地震による津波はありませんでした。
【震度3以上が観測された市町村】
震度5弱 |
青森県:八戸市、三沢市、野辺地町、五戸町 |
震度4 |
青森県:十和田市、平内町、外ヶ浜町、七戸町、六戸町、横浜町、東北町、おいらせ町、東通村、三戸町、南部町、階上町 |
震度3 |
北海道:函館市 |
台湾付近の地震(令和6年4月3日08時58分頃)
令和6年4月3日08時58分頃に台湾付近を震源とする地震(マグニチュード7.7、最大震度6強)が発生しました。
気象庁の発表によると、この地震により日本国内で観測された最大震度は震度4となっており、沖縄県の与那国町(よなぐにちょう)で震度4を観測したほか、沖縄県で震度3~1を観測しました。
発生場所は台湾付近で、震源の深さは23km、発生機構は西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報)とされています。
また、今回の地震発生後に震度1以上を観測した地震の発生は2回発生しており(4月2日5時50分現在)、沖縄県宮古島、沖縄県与那国島、沖縄県西表島で長周期地震動階級1を観測しました。
なお、沖縄本島地方と宮古島・八重山地方に津波警報が発令され、与那国島と宮古島で30センチ、石垣島で20センチの津波が観測されました。
その後、津波警報は注意報に切り替わり、正午にすべて解除されています。
【震度3以上が観測された市町村(日本国内)】
震度4 |
沖縄県:与那国町 |
震度3 |
沖縄県:石垣市、竹富町 |
大隅半島東方沖の地震(令和6年4月8日10時25分頃)
令和6年4月8日10時25分頃に大隅半島東方沖を震源とする地震(マグニチュード5.1、最大震度5弱)が発生しました。
気象庁の発表によると、この地震では宮崎県の日南市(にちなんし)で震度5弱を観測したほか、九州地方で震度4~1を観測しました。
発生場所は大隅半島東方沖で、震源の深さは39km、発生機構は東西方向に圧力軸を持つ型の地震(速報)とされています。
また、今回の地震発生後に震度1以上を観測した地震の発生なく(4月8日11時現在)、長周期地震動階級1以上を観測した地域はありません。
この地震による津波はありませんでした。
なお、今回の地震は南海トラフの想定震源域から少し離れた場所で発生したもので、地震規模が小さいため巨大地震に与える影響は少ないとされています。
【震度3以上が観測された市町村】
震度5弱 |
宮崎県:日南市 |
震度4 |
宮崎県:串間市 |
震度3 |
宮崎県:宮崎市、都城市、三股町、 高原町 |
豊後水道の地震(令和6年4月17日23時19分頃)
令和6年4月17日23時19分頃に豊後水道(ぶんごすいどう)を震源とする地震(マグニチュード6.4、最大震度6弱)が発生しました。
気象庁の発表によると、この地震では宮崎県の日南市(にちなんし)で震度5弱を観測したほか、九州地方で震度4~1を観測しました。
発生場所は豊後水道で、震源の深さは39km、発生機構は東西方向に張力軸を持つ正断層型の地震(速報)とされています。
また、今回の地震発生後に震度1以上を観測した地震は8回発生しており(4月18日0時40分現在)、高知県西部で長周期地震動階級2を観測しました。
この地震による津波はありませんでした。
なお、今回の地震は南海トラフ地震の想定震源域内で発生した地震となっており、南海トラフ地震との関係を調査するマグニチュードの基準未満の地震とされていますが、1週間程度同規模の地震発生への注意を呼び掛けています。
【震度4以上が観測された市町村】
震度6弱 |
愛媛県:愛南市 |
震度5強 |
愛媛県:宇和島市 |
震度5弱 |
愛媛県:八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、愛媛鬼北町 |
震度4 |
広島県:呉市、江田島市、府中町、大崎上島町 |
今こそ見直すべき、防災対策とは?
新年度を迎え、各地で大きな地震が発生したことによって、新入社員や異動してきた方の安否確認サービスへの登録が済んでいなかったことに気づいた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、新年度に防災訓練を実施する企業も多く、中には毎年同じ訓練の繰り返しで実際に災害が発生したときに従業員が対応できるか不安というお声も少なくありません。
そこで本章では、入退社や人事異動が少しずつ落ち着いてくる今だからこそ見直しておきたい、防災対策についてご紹介します。
安否確認サービスのメンテナンス
安否確認の連絡が適切に届くようにするためには、登録情報を常に最新かつ正確なものにしておくことが非常に重要です。
安否確認サービスのメンテナンスができていない場合、いざという時に従業員の安否が確認できずに事業継続に影響してしまうこともあります。
入退社や異動などが多い新年度は、安否確認サービスの情報更新の必要性が高まる一方で、新しく総務や危機管理担当に就任される方も多く、引継ぎ業務に追われて更新が遅れてしまうことも少なくないと耳にします。
新年度のバタバタが少しずつ落ち着いてくる4月末から5月頃のタイミングで安否確認サービスの登録情報を更新する企業も多いといいますが、次いつ発生するかわからない災害に備えて、なるべく早めにメンテナンスをしておきましょう。
また、弊社が2023年7月にリリースしたオールインワン危機管理サービス「imatome」では、「入退社や組織変更、異動などによる従業員情報のメンテナンスにおける負担が大きい」というお声に応えるため、安否確認を常時適切に運用するための「マッピング式マスターメンテナンス機能」を新たに実装しました。
わずらわしさを感じてしまいがちな安否確認サービスのメンテナンスもスムーズに行えるようになっておりますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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マンネリ化・形骸化してしまった防災訓練の見直し
いざ災害が発生したときに従業員や顧客の安全を確保し、事業を継続するためには、日ごろの防災訓練が欠かせません。
一方で毎年訓練は行っているものの、同じ内容の繰り返しで形だけの訓練になってしまっているというお声もよくお聞きします。
一般的な防災訓練は、避難訓練、初期消火訓練、通報訓練、応急救護訓練などですが、その他にも企業向け防災訓練には、災害対策本部、自衛消防隊、CMT(災害対策本部事務局)向けなど、それぞれの役割に応じた様々な種類の訓練があります。
実際に災害が発生した際に従業員の皆さんが適切な対応をとれるよう、今一度防災訓練の内容や実施方法について見直しておきましょう。
もし、「実践的な防災訓練の実施方法がわからない」「自社の災害対応における課題がわからない」という方がいらっしゃいましたら、無料の課題相談窓口もご用意しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
また、より実践的な災害対応力を身に着けていただくために、プロのアドバイザーがお客様と伴走し、最適な体制や手順の構築をオーダーメイドでサポートする「アドバイザリーサービス」もご提供しておりますので、よろしければご検討ください。
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従業員の防災意識を高めるための教育
企業の災害対応力を向上させるためには、有事の際に一人一人が自ら行動を起こせるように普段から防災意識を高める教育をしておくことも大切です。
先にご紹介した防災訓練もその1つに数えられますが、いざ災害が発生すると人は様々な要因によって危険を正しく認識できなくなり、避難行動が遅れてしまうことがあります。
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そういった「自分の認識は無意識のうちにゆがむことがあり、災害時にはそれが命取りになる」ということを理解することも防災教育の1つです。
しかし、「防災」と聞くと大事なことだとはわかっていても、なんとなくとっつきにくいイメージを持つ方も少なくありません。
そんな時は、クイズやゲーム形式で楽しく防災について学ぶこともおすすめです。
弊社では、「地震編」「水害編」「火災編」の3つの防災クイズをご用意しており、社内研修にそのままご活用いただくこともできます。
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また、いざという時に何をすべきかが一目でわかるように「災害発生時に必要な行動」「社内の避難ルート」「応急手当の方法」などをマニュアル化して、お守りのような形で全従業員に配布しておくのも良いでしょう。
防災備蓄品の期限切れチェックと買い足し
よくあるお困りごとの代表例である、防災備蓄の期限切れチェックや買い足しもこの機会にやっておくと安心です。
災害発生時、人によっては数日間を会社で過ごすことになる方が出てくる可能性があり、いざという時に安心して食べられる食品や使える備蓄品を社内に準備しておくことは非常に重要です。
しかし、「非常食の期限管理が面倒」というお悩みを持つ方も少なくないでしょう。
そこでおすすめしたいのが、購入時点で数年後の入れ替えや見直しを見越した防災備蓄品を選定しておくというものです。
例えば、弊社では社員ひとり分の1日分の食料や生活用品がA4サイズに収まった「ユニット1Dayレスキュー」というオリジナルの防災備蓄セットを販売しています。
こちらは食品などの有効期限のあるものとないものを分けることで備蓄品の入れ替え時の手間を削減し、同時にコストも抑えることができる商品です。
期限が近付いた食品は消費し、消費した分だけを買い足すことで常に一定量の備蓄が用意できている状態を保つ「ローリングストック」を自然と習慣化できます。
また、本棚や一般的なデスクのサイドキャビネットにすっぽりと入るサイズになっているため、面倒な期限管理も手軽に行えます。
半年や1年といった決まったタイミングでの定期的なチェックと合わせて、入れ替えや見直しを見越した新しい備蓄品の購入も検討してみてはいかがでしょうか。
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定期的な見直しで、災害に強い会社に
防災対策の定期的な見直しは、システムのメンテナンス機能だけでなく、いざという時に従業員の命を守ること、すなわち事業の継続にも直結します。
また、防災教育は災害や防災に関する知識を学ぶだけでなく、従業員同士がコミュニケーションをとる機会が増えるきっかけにもなるので、いざという時に自然と手を差し伸べあえる関係を生み出す効果も期待できます。
新年度のバタバタが少し落ち着いてきた今、「いざという時のためのシステムのメンテナンスや防災備蓄の準備はできているか」「BCPを作成しただけになってしまってはいないか」 等、改めて社内の防災対策について見直してみてはいかがでしょうか。
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