アルコールの濃度表記
こんにちは。
レスキューナウ ブログ担当です。
この記事は、先日の記事した「手指の消毒とアルコール」の補足です。
「手指の消毒とアルコール」も併せてご覧ください。
※この記事の情報は、2020年9月23日現在の情報です。(2021年2月17日、3月5日一部更新)
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アルコール濃度の表記は2つある
お酒を飲む時、度数を気にする方も多いと思います。ブログ担当は沖縄で60度の泡盛を飲んだことがありますが、喉の中はまるで燃えるようでした。「手指の消毒に使うアルコールが60%、あの時飲んだ泡盛で消毒できるのか」と考えたのですが、実は違うのです。
重量と容量
消毒用アルコールをよく見ると「w/w%」などと、アルコールの濃度が記されています。これは「重量パーセント濃度」の意味。
一方、お酒のボトルに「○度」で表記されている度数は「容量パーセント濃度」を示しています。
詳しい説明は次の項でしますので、「まずは2つある」と覚えてください。
2つの違いはなぜ?
「500ml(=容量)の中身は500g(=重量)なんだから、重量と容量、どちらも同じでは」と、ついそう思ってしまうのですが、それは水の話。アルコールは水に比べて軽いのです。
アルコール消毒剤に使われるエタノールは、1ml=0.789gです。同じボトルに詰められていても、水に対して約2割軽いのです。同じボトルを2つ準備して、それぞれに水とアルコールを詰めて持ち比べれば、アルコールの軽さが分かると思います。
重量パーセント濃度
アルコール消毒剤などで使われる表記です。
濃度60重量パーセントのアルコール消毒剤を例に取ると、100gの液体中60gがエタノールです。
前回の記事で説明した、消防法の規定にあるアルコール濃度も、重量パーセント濃度です。
消毒剤の商品説明で「60%」などと書かれていたら、こちらの重量パーセント濃度だと考えてください。(注:製品によっては、容量パーセント表記の場合もあるようです。不明な場合は、確認するのが良いですね)
重量パーセントには「重量%」「w/w%」「wt%」「mass%」など様々な表記があります。
(例:60重量パーセントのアルコール消毒剤では、「60重量%」「60w/w%」「60wt%」「60mass%」と表記)
この表記にも注意してみてください。
「質量パーセント」って言い方もみたけれど???
調べていると、質量パーセントという言葉も出てきます。
重量パーセントと質量パーセントは同じです。(厳密に言うと、地球上では同じ)
容量パーセント濃度
お酒の度数表記に使われる「容量パーセント濃度」だと、どのような意味なのでしょうか?
60度のお酒は、100mlの中に60mlアルコールが含まれている、という意味です。
エタノール水溶液の容量%と重量%との換算表(一般社団法人アルコール協会)を参照すると、
60度のお酒は、52.15重量パーセント。アルコール消毒剤が不足した頃、「代わりにお酒で消毒を」という話もありましたが、この点を間違えると、消毒には不十分な濃度のアルコールを用いてしまいます。
なお、消防法の規定で危険物とみなされる60重量パーセントは、67.69容量パーセント。度数表記で67度以上のお酒を保管する場合は、危険物と扱われます。
質量パーセントにも「質量%」「v/v%」「vol%」などの表記があります。
ちなみに、体積パーセントとは?
体積パーセントという言葉も出てきます。
容量パーセントと体積パーセントは同じです。(これも厳密には、地球上では同じ)
消毒用アルコールは、濃度と保管に注意して
「この説明を読んだけど、よく分からない。理系は苦手で…」という声が聞こえてきそうな記事でしたが、つまるところ「度数の表記は2種類あり、手指消毒剤は重量%が使われ、お酒の濃度とは違う」という点を押さえてください。
大量に使う場面では「自分で薄めて調合して…」などと考えてしまいますが、しっかり計算できるならば良いものの、それを繰り返す手間と、移し替えの際には火災の危険性もあります。
濃度と量によっては、消防署への申請や届出も必要です。重量パーセントと容量パーセントを間違えずに正しく計算して、場合によっては消防署関係の手続きもする。1回だけならともかく、繰り返すとなると???
そう考えるとやはり、手指の消毒には「手指用」とされたアルコール消毒剤を用いるのが良いのではないでしょうか。
不安なときはレスキューナウまで!
レスキューナウもアルコール消毒剤を扱っています
実は、レスキューナウもアルコール消毒剤を取り扱っています。
「手指消毒剤 キビキビ(指定医薬部外品)」は天然由来アルコールを使った消毒剤。
保湿剤を配合した手にやさしい瞬乾消毒タイプです。
65容量パーセント(=57重量パーセント)なので、保管や配送の制限を受けず、備蓄にも便利です。
出社時の手洗い後、お食事前の消毒に! 手指消毒剤 キビキビ(指定医薬部外品)
アルコール以外でお勧めの除菌剤は?
企業が備蓄している定番の除菌剤といえばアルコール消毒剤ですが、次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水も人気があります。それぞれの成分ごとに得意なこと苦手なことがありますので、目的に合わせて選ぶことをオススメします。
詳しくは下記お役立ち資料「除菌剤の種類と特徴」も併せてご覧ください。
(参考)
消毒用アルコール及び高濃度アルコールの使用や保管について(光地区消防組合)
飲酒の基礎知識(公益社団法人アルコール健康医学協会)
パーセント濃度ってなに?(株式会社プラネット)