無視できない富士山噴火のリスクとBCP
こんにちは!レスキューナウ ブログ担当です。
2021年3日6:37頃、山梨県東部富士五湖を震源とした震度5弱の地震が発生しました。今回は火山活動に直接つながる兆候はなかったとのことですが、一瞬ヒヤッとした人もいるのではないでしょうか?
富士山が噴火した場合、首都圏をはじめ日本全国に大きな影響が出る可能性があります。
そこで本ブログでは、富士山噴火のリスクについて、企業が受ける被害を中心に紹介します。
※本記事は、2022年1月17日時点の情報を基に作成しております。
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この記事の目次[非表示]
- 1.2021年の噴火に関わる最新トピックス
- 2.富士山が噴火すると何が起こる?
- 2.1.火口から数km以内まで被害が及ぶもの
- 2.2.火山周辺の建物・道路まで被害が及ぶもの
- 2.3.数100km先まで被害が及ぶもの
- 3.被害範囲はどこまで?
- 4.首都圏への影響も甚大
- 5.火山灰が積もると何が起こる?
- 6.企業が受けるダメージは?
- 7.火山対策に重要な防災備蓄
- 8.最後に
2021年の噴火に関わる最新トピックス
3月26日 富士山ハザードマップの改定
4月25日 桜島噴火
6月23日 諏訪之瀬島噴火
9月17日 諏訪之瀬島噴火
10月20日 阿蘇山噴火(詳しくはこちらもご覧ください)
12月16日 噴火警戒レベル4のキーワードを「避難準備」→「高齢者等避難」に変更
富士山が噴火すると何が起こる?
主な火山被害を被害想定範囲ごとに大別し、ご説明します。
火口から数km以内まで被害が及ぶもの
噴石(火山弾):噴火によって火口から吹き飛ばされる岩石。被害範囲は2km~4km先。
飛散した場合、避難までの時間的余裕が少なく、生命に対する危険性が高い。
火山周辺の建物・道路まで被害が及ぶもの
溶岩流:火口から噴出したマグマが流れ出る現象。火山周辺の建物まで影響が及ぶこともある。
温度は1000度を超えるが、流下速度は遅いため、徒歩で避難できることも多い。
火砕流:数百度の非常に高温な溶岩片、火山灰、火山ガスなどが、斜面を急速に流れる現象。
時速数10km~数100kmで流れるため、避難することが非常に難しい。
泥流:噴出された岩石や火山灰が堆積している部分に大雨が降り、高速で流れ下る「火山泥流」、
火山活動により表面の雪や氷が解け雪崩が発生する「融雪型火山泥流」などがあります。
時速数10kmで谷筋や沢沿いを遠方まで流下することもあるため、川や谷の付近は要注意。
空芯:噴火に伴って発生する空気中を伝わる衝撃波。
火山周辺の建物では、窓ガラスが割れる等の被害が発生することもあります。
火山ガス:マグマに溶けていた二酸化炭素、二酸化硫黄、硫化水素などのさまざまな成分が、
ガス(気体)となって外に放出される現象。
数100km先まで被害が及ぶもの
火山灰:火口から噴出される直径2mm未満の噴石。
風によって火口から数10km~数100km離れた地域に降り積もることもあります。
そして、これらの噴火活動は数週間継続する場合も…。
仮に富士山噴火が数週間継続した場合、日本中の企業に様々な影響を与えます。
被害範囲はどこまで?
富士山火山防災対策協議会が2021年3月に富士山噴火のハザードマップを17年ぶりに改定。
溶岩の噴出量予測を2倍に引き上げるなど噴火規模の拡大が想定されました。
最新のハザードマップによると、溶岩流は神奈川県相模原市付近まで到達する可能性があります。
また、中央自動車道も被災想定地域に含まれるため、物流に大きな影響が出ると予想されます。
首都圏への影響も甚大
風の影響によっては、首都圏にも火山灰が降り、数cm以上積もる可能性があります。
なお、富士山噴火から1~2時間で都内に火山灰が到達すると言われています。
あらかじめ富士山が噴火した場合の対応について検討しておかないと、1~2時間で安全を確保するのは難しいかもしれません。
※「宝永噴火」では、約100km離れた江戸にも数cmの火山灰が積もったという記録があります。
火山灰が積もると何が起こる?
中央防災会議によると、
- 道路:スリップの危険があるため走行が難しくなる
- 鉄道:0.5cm以上積もると運行停止になる
- フライト:飛行機の計器に詰まるおそれ等があるため欠航となる
- 電力:0.3cm以上積もると停電する
- 水道:0.2cm以上積もると断水する
- オフィス:空調のフィルターに付着すると、ビルの換気システムやエアコンが使えなくなる
首都圏に数cmの火山灰が降り積もるということは、関東全体のライフラインや交通がダウンし、日本全体に大きな影響を与えることに繋がります!
企業が受けるダメージは?
- オフィスが使用できない、電車が動いていない、道路が通行止め等の理由で、出社が出来ない
- 自宅近辺のライフラインが止まっている場合、業務継続自体が不可能に
- 陸路・空路が寸断されることで、ヒトやモノの移動が出来ず、事業の継続が困難になる
- 富士山周辺には薬品、製紙、飲料メーカーが多く、日本全体の物資が供給不足になる
富士山の噴火は、事業継続を妨げるリスクをたくさん抱えている災害であることが分かります。
▽降灰リスクについて詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください!
火山対策に重要な防災備蓄
降灰対策として防護メガネ、マスク、フード付きのジャンパー(もしくはヘルメット)などを備えておくことをオススメします。工場の機械やオフィスの空調などに火山灰が入ることで故障に繋がることもあるため、養生用にブルーシート等も備蓄しておくと良いかもしれません。
また、火山灰は溶けることがないため、除去するためのスコップ等も備えておいた方が安心です。
そのまま放置しておくと、排水路などに流れ、水害を引き起こす可能性もあります。
スコップや箒などで除去し、土のうなどの処理袋に収納しましょう。
その他、通常の災害と同様に水・食料・トイレなどの基本的な備蓄も忘れてはいけません!
最後に
噴火は地震同様、いつ発生するかが読めない災害です。
明日起こるかもしれないからこそ、後回しにせずに「今」対策することが重要です!
防災備蓄に関するお悩みやご不安は、レスキューナウへお気軽にお問い合わせください。
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