阪神・淡路大震災から27年、2021年に起きた地震と影響
こんにちは、レスキューナウ ブログ担当です。
本日1月17日で、阪神・淡路大震災から27年が経ちました。昨年後半には大きな地震が同日に離れた地域で発生したことは記憶に新しいのではないでしょうか。本日は2021年に発生した地震と影響についてまとめました。
※阪神・淡路大震災を知るためのサイトを下記にまとめています。合わせてご覧ください。
※本記事は、2022年1月17日時点の情報を基に作成しております。
この記事の目次[非表示]
- 1.最大震度5弱以上の地震(10回)
- 1.1.・2月13日23:08頃、福島県で最大震度6強
- 1.2.・3月15日00:26頃、和歌山県で最大震度5弱
- 1.3.・3月20日18:09頃、宮城県で最大震度5強
- 1.4.・5月1日10:27頃、宮城県で最大震度5強
- 1.5.・9月16日18:42頃、石川県で最大震度5弱
- 1.6.・10月6日02:46頃、青森県で最大震度5弱
- 1.7.・10月7日22:41頃、埼玉県で最大震度5強
- 1.8.・12月3日06:37頃、山梨県で最大震度5弱
- 1.9.・12月3日09:28頃、和歌山県で最大震度5弱
- 1.10.・12月9日11:05頃、鹿児島県で最大震度5強
- 2.最大震度4の地震(45回)
- 3.海外で発生した大きな地震
- 4.「一律3日間待機」が見直される?企業の防災備蓄は?
- 5.忘れた頃にやってきても適切な初動対応ができるように
最大震度5弱以上の地震(10回)
2021年に最大震度5弱、5強、6強を観測した地震は10回発生しました。
比較的被害の少ないものが多かったものの、2月13日に福島県沖で発生した地震では人的物的被害、ライフラインの一時供給停止、交通機関の乱れのほか、小売店や工場等が被害を受け一時操業停止を余儀なくされた企業が多くみられました。
3月20日に宮城県で発生した地震では津波注意報が発表されました。
なお、10回のうち5回は夜間~早朝にかけて発生しています。日中に発生した5回の中でも2回は18時台に発生していますから、一般的な営業時間外に大きな地震が発生していたと分かります。災害は休日夜間に発生するとよく言われますが、2021年もその通りでした。
(阪神・淡路大震災が発生したのも午前5時46分、早朝でした)
ちなみにフルタイムの一般労働時間は平均で年間2,000時間程度といわれています。1年を時間になおすと8,760時間。約75%は営業時間外ということになります。災害は休日夜間に発生するとよく言われているのは、必然な結果かもしれません。
だからこそ、休日夜間でも災害発生の覚知、初動対応ができるようにツールや体制の準備が必要なのです。
震度5弱以上の地震発生時間帯と1年間における労働時間の割合。休日夜間に災害が多く発生していると感じるのは必然かもしれません。
・2月13日23:08頃、福島県で最大震度6強
2月13日23:08頃、宮城県などで最大震度6強を観測する地震が発生。
震源地:福島県沖(北緯37.7度、東経141.8度)
震源の深さ:約60km
地震の規模(マグニチュード):7.1
津波の心配:なし(日本の沿岸では若干の海面変動の可能性あり)
[震度5弱以上が観測された地域]
震度6強 宮城県南部 福島県中通り 福島県浜通り
震度6弱 宮城県北部 宮城県中部
震度5強 福島県会津 栃木県北部 栃木県南部
震度5弱 岩手県内陸北部 岩手県内陸南部 山形県村山 山形県置賜 茨城県北部 茨城県南部 埼玉県北部
※2021年2月15日時点での主な企業の対応状況(レスキューナウ災害レポートより抜粋)
◆小売 |
【イオン】 ・店舗に被害が出ているとして福島県内のイオン相馬店、イオン浪江店、イオン郡山フェスタ店は、14日休業することを決めた〔NHK〕 ・このほかにも福島県内を中心に被害が出ていると見られることから、複数の店舗で開店時間を遅らせたり、一部の売り場の営業を取りやめたりする〔NHK〕 【イトーヨーカドー】 ・福島県内の郡山店について、停電が発生しているとして14日休業することを決めた〔NHK〕 【仙台三越】 ・建物や店舗内の施設の安全確認のため、14日、休業することを決めた〔NHK〕 【ヨークベニマル】 ・9店(郡山島、富久山、菜根、桑野、八山田、伊達、野田、保原、矢吹)が臨時休業している〔福島民報〕 【西友】 ・宮城県内に18店舗を展開するスーパー「西友」は、仙台市太白区の「ザ・モール仙台長町」の食料品売り場以外の店舗と、富谷市の「西友富谷店」について、13日夜の地震による安全点検が必要だとして休業。営業再開の見通しはたっていない〔NHK〕 |
◆製造 |
【ブリヂストン】 ・栃木県那須塩原市にある栃木工場と那須工場の稼働を一時停止〔読売〕 【三井化学】 ・千葉県市原市の市原工場で、用役プラントを除き、全ての製造プラントが停電 エチレンプラント回復に10日程度かかる見込み〔日刊工業新聞〕 |
◆飲料 |
【キリンビール】 ・宮城県仙台市宮城野区にある仙台工場で、建屋や設備の一部が損傷しており再開予定は未定〔産経〕 【アサヒビール】 ・福島県本宮市にある工場で、製造設備が被災したため、15日から当面生産を停止〔NHK〕 |
◆金融 |
【東邦銀行】 ・15日から、福島県沖の地震の被災者に対する特例措置として、通帳や証書、届出印章、キャッシュカードを所持していない場合でも、本人確認の上で預金払い戻しに応じる〔福島民友〕 【福島信用金庫】 ・14日、地震の被災者向けに相談窓口を設置。営業活動に支障が出ている法人と個人事業主に長期の資金を供給し、事業の再開を支援する。建物や設備の更新、修理などが必要な取引先も融資対象〔福島民友〕 |
※上記のような被害状況のとりまとめを「災害レポートサービス」にて24時間365日対応でレポート形式にて配信。大災害発生時の社会の状況のとりまとめはお任せし、ご担当者様は自社の状況確認や判断業務に専念することが可能です。
・3月15日00:26頃、和歌山県で最大震度5弱
3月15日00:26頃、和歌山県で最大震度5弱を観測する地震が発生。
震源地:和歌山県北部(北緯34.0度、東経135.2度)
震源の深さ:約10km
地震の規模(マグニチュード):4.6
津波の心配:なし
[震度5弱以上が観測された地域]
震度5弱 和歌山県北部
・3月20日18:09頃、宮城県で最大震度5強
3月20日18:09頃、宮城県で最大震度5強を観測する地震が発生。
震源地:宮城県沖(北緯38.4度、東経141.7度)
震源の深さ:約60km
地震の規模(マグニチュード):7.2
津波の心配:津波警報等(大津波警報・津波警報あるいは津波注意報)を発表
[震度5弱以上が観測された地域]
震度5強 宮城県北部 宮城県南部 宮城県中部
震度5弱 岩手県沿岸南部 岩手県内陸南部 福島県中通り 福島県浜通り
・5月1日10:27頃、宮城県で最大震度5強
5月1日10:27頃、宮城県で最大震度5強を観測する地震が発生。
震源地:宮城県沖(北緯38.1度、東経141.8度)
震源の深さ:約60km
地震の規模(マグニチュード):6.6
津波の心配:なし
[震度5弱以上が観測された地域]
震度5強 宮城県北部 宮城県中部
震度5弱 宮城県南部 青森県三八上北 岩手県沿岸南部 岩手県内陸南部 福島県中通り 福島県浜通り
・9月16日18:42頃、石川県で最大震度5弱
9月16日18:42頃、石川県で最大震度5弱を観測する地震が発生。
震源地:石川県能登地方(北緯37.5度、東経137.3度)
震源の深さ:約10km
地震の規模(マグニチュード):5.2
津波の心配:なし
[震度5弱以上が観測された地域]
震度5弱 石川県能登
・10月6日02:46頃、青森県で最大震度5弱
10月6日02:46頃、青森県で最大震度5強を観測する地震が発生。
震源地:岩手県沖(北緯40.0度、東経142.4度)
震源の深さ:約50km
地震の規模(マグニチュード):6.0
津波の心配:なし
[震度5弱以上が観測された地域]
震度5強 青森県三八上北
震度5弱 岩手県内陸北部
・10月7日22:41頃、埼玉県で最大震度5強
10月7日22:41頃、埼玉県などで最大震度5強を観測する地震が発生。
震源地:千葉県北西部(北緯35.6度、東経140.1度)
震源の深さ:約80km
地震の規模(マグニチュード):6.1
津波の心配:なし
[震度5弱以上が観測された地域]
震度5強 埼玉県南部 東京都23区
震度5弱 埼玉県北部 東京都多摩東部 千葉県北西部 神奈川県東部
・12月3日06:37頃、山梨県で最大震度5弱
12月3日06:37頃、山梨県で最大震度5弱を観測する地震が発生。
震源地:山梨県東部・富士五湖(北緯35.6度、東経139.0度)
震源の深さ:約20km
地震の規模(マグニチュード):4.9
津波の心配:なし
[震度5弱以上が観測された地域]
震度5弱 山梨県東部・富士五湖
・12月3日09:28頃、和歌山県で最大震度5弱
12月3日09:28頃、和歌山県で最大震度5弱を観測する地震が発生。
震源地:紀伊水道(北緯33.8度、東経135.2度)
震源の深さ:約20km
地震の規模(マグニチュード)は5.4
津波の心配:なし
[震度5弱以上が観測された地域]
震度5弱 和歌山県北部
・12月9日11:05頃、鹿児島県で最大震度5強
12月9日11:05頃、鹿児島県で最大震度5強を観測する地震が発生。
震源地:トカラ列島近海(北緯29.4度、東経129.4度)
震源の深さ:約20km
地震の規模(マグニチュード):6.0
津波の心配:なし
[震度5弱以上が観測された地域]
震度5強 鹿児島県十島村
最大震度4の地震(45回)
被害は少ないものの、ほとんどの人が揺れを感じる震度4を最大で観測した地震は年間45回も発生していました。
1月1日01:53頃、東京都で最大震度4
1月27日14:07頃、北海道で最大震度4
2月2日03:01頃、栃木県で最大震度4
2月14日16:31頃、福島県で最大震度4
2月15日13:28頃、和歌山県で最大震度4
2月19日18:11頃、岩手県で最大震度4
3月9日08:30頃、宮城県で最大震度4
3月14日09:22頃、熊本県で最大震度4
3月16日04:56頃、茨城県で最大震度4
3月17日17:28頃、宮城県などで最大震度4
4月10日07:07頃、鹿児島県で最大震度4
4月10日16:36頃、鹿児島県で最大震度4
4月11日05:40頃、鹿児島県で最大震度4
4月11日21:00頃、鹿児島県で最大震度4
4月12日23:01頃、鹿児島県で最大震度4
4月18日05:14頃、広島県で最大震度4
4月18日09:29頃、宮城県で最大震度4
4月21日07:45頃、鹿児島県で最大震度4
5月6日09:16頃、熊本県で最大震度4
5月14日08:58頃、宮城県などで最大震度4
5月14日20:46頃、北海道で最大震度4
6月8日17:00頃、熊本県で最大震度4
6月19日07:39頃、愛媛県で最大震度4
7月11日09:16頃、石川県で最大震度4
7月16日13:20頃、東京都で最大震度4
7月17日20:50頃、山口県などで最大震度4
7月26日11:16頃、青森県で最大震度4
7月27日05:19頃、福島県で最大震度4
8月2日09:37頃、広島県で最大震度4
8月16日05:03頃、岐阜県で最大震度4
8月18日01:31頃、広島県で最大震度4
8月22日11:23頃、福島県で最大震度4
8月22日11:24頃、宮城県などで最大震度4
9月19日17:18頃、岐阜県で最大震度4
10月6日17:13頃、宮崎県などで最大震度4
10月15日07:57頃、和歌山県で最大震度4
10月28日09:55頃、茨城県で最大震度4
11月1日06:14頃、福島県などで最大震度4
11月9日01:14頃、福島県で最大震度4
12月2日01:58頃、茨城県などで最大震度4
12月3日02:18頃、山梨県で最大震度4
12月5日11:14頃、鹿児島県で最大震度4
12月8日22:44頃、鹿児島県で最大震度4
12月12日12:31頃、茨城県などで最大震度4
12月26日17:26頃、沖縄県で最大震度4
震度5弱以上とあわせると、2021年は大きく揺れを感じる地震は55回も発生していました。
海外で発生した大きな地震
海外では以下の地域で大きな地震が発生していました。
※USGS(アメリカ地質調査所)オープンデータよりMM震度階の階級6以上を集計。
※アジアは日本を除いた回数です。
海外で発生した地震(MM震度階級6~11)の回数
海外で発生した自然災害などの海外危機管理情報も、レスキューWebでは受け取ることができます(別途オプション)。レスキューWebの配信カテゴリ詳細はこちらからご覧ください。
「一律3日間待機」が見直される?企業の防災備蓄は?
また、先日このようなニュースがありました。
首都直下地震時の帰宅困難者対策として、生存率が下がる「発生から72時間」は人命救助を優先し、帰宅困難者で交通網の混乱や救助の妨げ、二次災害を抑えるために、職場や学校で3日間待機することが求められていました。ところが、この一律3日間待機は現実的ではない、と方針が変更される可能性があるようです。
ただ、近年は鉄道の駅舎や路線の耐震化が進み、公共交通機関が3日以内に運行を再開できる例が多くなった。地域によっても被害状況は異なるため、政府は「3日間の待機を一律に求めることは現実的ではない」(内閣府)と判断した。被災状況に応じて、応急活動などの妨げとならない範囲で、帰宅を順次可能とするよう、指針を見直す。
今夏をめどに内閣府の有識者会議「首都直下地震帰宅困難者等対策検討委員会」で意見を取りまとめる予定だ。具体的には、被災状況に応じ、〈1〉安全確保のために待機〈2〉徒歩で帰宅可能〈3〉公共交通機関で帰宅――の3段階の対応を判断し、携帯電話に通知を送ることなどを想定している。
注意したいのは「一律」が現実的ではない、ということです。“ 被災状況に応じて、応急活動などの妨げとならない範囲で、帰宅を順次可能とするよう、指針を見直す ”とあることからも、まずは安全確保のための待機が考えられますし、企業の防災備蓄が必要であることは変わらないでしょう。
とはいえ、こちらは見直され始めた段階です。レスキューナウでは企業の危機管理担当の皆様へ最適なご提案ができるよう、方針の発表に注目してまいります。
防災備蓄についてお困りの方はこちらからぜひご相談ください。
危機に対する備えについて(P3)
忘れた頃にやってきても適切な初動対応ができるように
地震発生数を1年間振り返っただけでも、これだけ多くの災害が起きているのだと再認識させられました。繰り返すようですが、災害、とくに地震は忘れたころにやってきます。
災害発生時いかに適切な初動対応ができるかによって、事業継続の明暗が分かれます。レスキューナウでは長年蓄積した危機管理の初動対応ノウハウで、企業の危機管理をサポートしています。詳細は下記「アドバイザリーサービス」をご覧ください。
日々の備えや訓練によって少しでも被害を抑えることが可能です。昨今の情勢により働き方が大きく変わり、企業での防災訓練が思うようにできていないというお声をよく耳にします。
1月27日(木)11:00~11:30、「コロナ禍の防災訓練のやり方」ウェビナーを開催します。これまで多くの危機管理ご担当者様にご参加いただいた大人気のウェビナーです。下記フォームよりぜひご参加ください。