車内防災はできていますか?
毎年、大雨による冠水や大雪による車両停滞など、車内で被災するドライバーさんが多いです。
冠水、大雪、渋滞などのリスクに備えるため、「車内防災」に取り組む企業が増えています。
大切な従業員様を守るために、乗車中のもしもに備える方法をご紹介します。
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「車内防災」の重要性
トラックや営業車などを運転する従業員様にとってのオフィスは、「車内」です。
会社にいる時間よりも車内で過ごす時間が長い従業員様にとっては、「車内防災」が整ってはじめて安心できる職場と言えます。
会社に3日分の備蓄品を保管するだけでなく、万が一車内で被災した場合も想定して備えておきましょう。
「車内防災」は何から始めれば?
- 水、食料、トイレなどの防災グッズを備える
- 緊急脱出用ハンマーを備える
- 車内で被災した場合の行動ガイドを策定する
- 会社への緊急連絡手段を決めておく
- 走行前に気象予報をチェックしておく
- 路面状況に合わせたタイヤを選択する
などが大切です。
オフィスの防災と同じく備蓄品を備えただけでは十分ではありません。
しっかりと災害を想定した訓練を実施したり、リスクの高まりを把握したり、それに合わせた対策を実施することが従業員を守ることに繋がります。
車内に備えるべきグッズは?
災害が原因で車両停滞が発生した場合、数日間車内で過ごさなければいけないこともあります。
トイレなどの生理現象や、空腹・のどの渇きは我慢できません。
加えて、エンジンをずっとかけているとバッテリーが上がってしまうため、エアコンを使用できない状態になります。暑さや寒さなどの車内温度にも注意が必要です。JAFや救助が直ぐに来てくれるとは限らないため、熱中症対策グッズや防寒着などを用意しておきましょう。
また、スマホやPCなどの充電が切れてしまうことも考えられます。会社との連絡手段を確保しておくことは必須ですので、充電できる手段も確保しておきましょう。
車載しておくべきモノ |
ポイント |
保存水 |
備蓄量の目安は一人当たり1日3リットル。 夏場は車内が高温になるため、それ以上の量があると安心です。 |
保存食 |
食べやすいパンの缶詰や長期保存用クッキーがオススメです。 |
携帯トイレ |
備蓄量の目安は一人当たり1日5回分。
携帯トイレ使用時の目隠し用ポンチョがあるとより安心です。
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防寒・防暑グッズ |
代表的な防寒グッズ:アルミブランケット、ポンチョ、カイロ
代表的な防暑グッズ:ネッククーラー、冷感タオル、瞬間冷却剤
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充電グッズ |
充電ケーブルやシガーソケットUSB、モバイルバッテリーなど |
応急処置グッズ |
絆創膏、消毒液、ガーゼなど |
作業用グローブ |
作業するときに手を保護してくれるグローブがあると便利です。 |
懐中電灯 |
車を離れて避難する場合や作業する場合にあると便利です。 |
ホイッスル、ペンライト |
救助に来た人へ居場所を知らせるための道具も大切です。 |
伝言カード |
車を離れて避難する場合に活用できます。
消せるボールペンは夏場の車内では消えてしまうので要注意。
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普通の備蓄品を車載するのは危険!
夏場の車内は70℃を超える高温になることもあります。
ほとんどの保存水・保存食は、常温保存を想定して作られているため、夏場の車内に対応できない商品が多いです。
もしものときに使えないことがないよう、車載用の商品を備えることが重要です。
ちなみにレスキューナウがオススメする車載用防災セットは、下記です。
・車載用防災セット「BOUSAI BLOCK for CAR」(ファシル株式会社)
※詳細は、上記リンクをクリックしてレスキューナウのWEBカタログからご覧ください。
周囲への配慮もポイント
2021年12月の国道8号線における立ち往生で、山崎製パン株式会社の配送トラックが積み荷のパンを県災害対策本部を通じて配布したことが大きな話題になりました。
緊急時における咄嗟の心遣いが、企業イメージを大幅に向上させることもあります。
前後のドライバーさんにも配布できるよう、水・食料・トイレ等の備蓄品を少し多めに車載している企業も出てきています。
冠水による車中事故のリスク
2019年の台風19号の死者87人のうち25人が「車中死」と言われています。
台風21号でも死者10人のうち5人が「車中死」と、乗車中に洪水に巻き込まれて亡くなる事例が相次いでいます。
アンダーパスが一気に冠水し、通行中の車両が水没する死亡事故も毎年のように発生しています。
車のドアが3分の1ほど水に浸かると、外からの水圧でドアが開けられなくなります。また、水で電気配線がショートしてしまうと、窓が開かなくなる可能性もあります。
そのため、緊急脱出用ハンマーを必ず備えておきましょう。また、他の防災グッズと一緒にしまっておくのではなく、いつでも手の届くところへ備えておくことが不可欠です。
大雪による車中事故のリスク
毎年、大雪により大規模な車両の立ち往生が発生しています。
2020年12月、関越自動車道で最大2100台が約52時間も立ち往生。
2021年1月、北陸自動車道で最大1600台が約66時間も立ち往生。
2021年12月、国道8号線で大型トラックがスリップしたことにより、2km以上にわたって約13時間も立ち往生。
2022年1月、レインボーブリッジで軽トラックの横転事故による立ち往生、首都高でも10時間以上の立ち往生が発生。
大雪によるスタックは適切なタイヤを装着していないことが原因で起きていることが多いです。
深い積雪路や凍結路ではスタッドレスタイヤでもスタックする可能性があるため、大雪の場合はしっかりとチェーンを装着することが大切です。
車を置いて避難する場合
乗車中に被災してしまった場合、自動車を置いて避難する必要がある場合も考えられます。その場合の避難方法についても覚えておきましょう。
警察庁が呼びかけている避難方法は、以下の通りです。
- 出来るだけ道路外に駐車する。
- やむを得ず道路に置いて避難する場合、道路の左側に寄せる。
- エンジンは止め、キーはそのままにするかわかりやすい場所に置いておく。
- 窓は閉め、ドアはロックしない。
当社としては、カギと一緒に緊急連絡先のメモなどを置いておくことも推奨します。
最後に
車載用防災セットのお見積り希望や、「車内防災」に関するご相談がございましたら、下記よりお気軽にお申しつけください。