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火山災害とは?種類や防災の対策を解説

こんにちは。レスキューナウです。

火山災害は、その威力や影響の大きさから、私たちの社会や自然環境に多大な影響を及ぼすことがあります。このブログでは、さまざまな火山災害の種類や具体的な影響、そして事前にできる対策にについて詳しく解説します。


  「火山災害の種類と対策」 資料ダウンロード 火山災害により引き起こされる被害と企業が実施すべき対策について紹介いたします。 株式会社レスキューナウ


この記事の目次[非表示]

  1. 1.火山災害のリスクについて
    1. 1.1.日本における火山災害リスク
    2. 1.2.日本に活火山が多い理由
    3. 1.3.企業が検討すべきこと
  2. 2.火山災害の恐さ
    1. 2.1.火山災害の多様さ
    2. 2.2.火山災害はいつ起こるかわからない
    3. 2.3.火山災害はどこまで被害が広がるかわからない
    4. 2.4.日本最大の活火山が首都圏の近くに存在する
  3. 3.火山災害の種類
    1. 3.1.噴石・火山弾
    2. 3.2.火山灰
    3. 3.3.溶岩流
    4. 3.4.火砕流
    5. 3.5.泥流/スラッシュ雪崩
    6. 3.6.土石流
    7. 3.7.空振
    8. 3.8.火山ガス
  4. 4.火山災害によって引き起こされる被害
    1. 4.1.交通被害
    2. 4.2.ライフラインの被害
    3. 4.3.建物設備の被害
    4. 4.4.健康被害
  5. 5.火山災害対策の基本的な考え方
    1. 5.1.火山災害対策の基本
    2. 5.2.様々な災害に共通する部分
    3. 5.3.個別対応が必要な部分
  6. 6.事業拠点における物的損害の想定
    1. 6.1.物的損害の被害リスクを把握する
    2. 6.2.火山ハザードマップ
      1. 6.2.1.ドリルマップ
      2. 6.2.2.可能性マップ
    3. 6.3.建物設備の強化
  7. 7.降灰への備えや設備対策、取り組み
    1. 7.1.火山灰侵入防止作業
    2. 7.2.除灰作業
  8. 8.噴火時の対応計画の策定および情報収集
    1. 8.1.噴火時の対応計画の策定
    2. 8.2.対応計画策定時の注意ポイント
    3. 8.3.火山災害に関する情報収集
  9. 9.従業員やその家族への教育および訓練
    1. 9.1.従業員の安全確保
    2. 9.2.従業員の家族も大事
    3. 9.3.教育および訓練
  10. 10.まとめ
    1. 10.1.企業における火山災害とは
    2. 10.2.まずは出来ることから始める
    3. 10.3.自社だけでは不安な部分は、、

火山災害のリスクについて

まず、火山が引き起こすリスクについて解説していきます。

日本における火山災害リスク

日本は、世界でも稀にみるほど活火山の割合が高い国です。

世界の面積のうち日本の国土が占める割合は、たったの0.28%です。

一方、日本にある活火山の数は111であり、世界の約7%にあたります。

日本に活火山が多い理由

火山は、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込み、地下150㎞付近でマグマを形成することで発生します。

日本は、地球を覆う十数枚のプレートのうち、4つのプレートの衝突部に位置しているため、火山が多くなります。

企業が検討すべきこと

都市部に近い活火山が噴火することで、都市の広範囲が大規模な降灰被害を受ける可能性があります。

もしも都市部のインフラが長期的に途絶した場合、サプライチェーン全体に連鎖的な被害が及びます。 そのため、活火山近郊に事業所を持たない企業も含めて、事前に対策を検討することが求められます。


※富士山噴火のリスクについての参考ブログ

  無視できない富士山噴火のリスクとBCP 企業が無視できない「富士山噴火」について、リスクと事業継続への影響、対策方法を紹介しています。 株式会社レスキューナウ



火山災害の恐さ

日本は地震も多い国ですし、火山の活動も企業にとって大きな影響を与えます。

火山災害の恐さについて解説していきます。


火山災害の多様さ

火山が噴火した場合、温度や大きさが異なる個体、液体、気体が一気に噴出します。

そのため、一口に火山災害と言っても「被害が広がる速度」、「被害範囲」、「継続時間」が様々です。

火山災害はいつ起こるかわからない

予兆情報が発表されることもあれば、突発的に噴火する可能性もあります。

大雨や大雪と同じく「進行型災害」の性質もあれば、地震のような「突発型災害」の性質も持ちます。 また、噴火継続時間は、1日以内である場合が多いですが、数週間から数年間継続する場合もあります。

火山災害はどこまで被害が広がるかわからない

どの火口から噴火するのか、噴火規模はどの程度なのか等は、噴火するまで予想できません。

加えて、風の強さや風向きにより、降灰エリアが大きく変わってしまいます。 そのため、実際に噴火するまでは被害範囲が判然としません。

日本最大の活火山が首都圏の近くに存在する

日本最大の活火山である富士山は、静岡県と山梨県の県境に位置し、首都圏まで非常に近いです。

その他にも神奈川県と静岡県の県境に箱根山、長野県と群馬県の県境に浅間山が存在します。 これらの活火山が噴火した場合、首都圏のインフラが途絶し、日本全体に影響が及ぶ可能性もあります。


火山災害の種類

火山災害といっても複数の種類があります。噴火によってどんな災害が引き起こされるか見ていきましょう。

噴石・火山弾

噴火によって吹き飛ばされる概ね30cm程度の岩石。 飛距離は火口から数百m、最大で数㎞先まで飛散します。

鉄筋コンクリートの建物であっても屋根や外壁を吹き飛ばす程の威力があり、生命に対する危険性が高いです。

火山灰

噴火によって火口から放出される固形物うち直径2mm未満のものを火山灰と言います。

火山灰は非常に小さく、風の影響で遠距離かつ広範囲に拡散します。

形状は細かく角ばっているため、付着したモノの表面を傷つけるおそれがあります。

気泡の中に火山ガスを含んでいる場合もあるため、有毒性のある火山灰も存在します。

雪と異なり溶けることはなく、雪の2倍程度の質量があるため、影響が長期化する傾向があります。

溶岩流

800度から1000度の溶けた岩石が地表を流れ下る現象です。

流下速度は遅く、徒歩でも避難できる場合が多いですが、せき止めることは不可能に近いです。

冷えて固まると鉄筋コンクリートよりも固い岩の塊になるため、除去が非常に大変です。

カナルア諸島では、冷えて固まった溶岩流を除去できず、その上に道路を作ることになりました。

火砕流

高温の溶岩や火山灰と空気や水蒸気などが交じり合い、地表を流れ下る現象です。

温度は数百度、流下速度も時速数百㎞以上に達することもあり、建物や自動車の中に居ても危険な場合があります。

実際に1991年の雲仙岳噴火では、火砕流により約40名の死者が出ています。

火砕流の中には高温の火山ガスが含まれていることもあり、流れ下る最中に爆発することがあります。

また、火砕流が海面に流れ出ることで、津波を引き起こすこともあります。

泥流/スラッシュ雪崩

火山灰等の土砂と水が交じり合って地表を流れ下る現象です。

また、積雪時には火山を覆う雪や氷が融かされることでスラッシュ雪崩が起きることもあります。

流下速度は、時速数十㎞に達することもあり、徒歩での避難は困難です。

土石流

火山灰が降り積もった地域に大量の雨が降ることで発生する泥流を土石流と言います。

流下速度は泥流等と同じく、時速数十㎞に達することもあります。

流れた先で2mぐらい積もることもあり、地形を変えてしまう原因にもなります。

空振

爆発的な噴火により、火口において急激な気圧変化が起こることで空気振動が発生し、衝撃波となります。

10㎞圏内の建物では、空気中を伝播する衝撃波により、窓ガラスが割れる等の被害が発生します。

また、2022年のフンガ・トンガ噴火では、空振により津波が発生しました。

火山ガス

火山活動により地表に噴出する高温のガスです。

水蒸気や二酸化炭素、二酸化硫黄の他、少量の水素ガス、一酸化炭素、硫化水素、塩化水素などが含まれます。

人体や動植物に有害な成分を含むだけでなく、火山ガスにより酸欠を引き起こすリスクもあります。 また、硫化水素などの腐食性ガスを含むため、電子機器などを故障させる原因になります。


火山災害によって引き起こされる被害

火山災害による被害は、交通やライフライン、建物設備、そして私たちの健康にも影響を及ぼします。

それぞれどんな被害が想定されるか解説します。

交通被害

  • 道路:高速道路、主要幹線道路の通行止め
  • 鉄道:新幹線、主要鉄道網の運休
  • 空港:空港閉鎖 船舶:海上運送の物流網停止

ライフラインの被害

  • 電気:火山灰により電線がショートし、停電が発生。
  • 通信:通信アンテナに火山灰が付着し、通信障害が発生。
  • 上水道:浄水場のろ過装置が目詰まりして断水が発生。
  • 下水道:下水管が詰まり、雨水などが溢れる。

建物設備の被害

  • 建物:火山噴出物で建物が損壊する。空振で窓ガラスが割れる。
  • 設備:火山灰で空調設備等が故障する。雨どい等の排水設備が詰まる。クリーンルームに火山灰などが入り込む。
  • 機器類:火山灰が内部に入り込み、生産設備や電子機器が故障する。
  • 自動車:社用車や重機などのフィルターが火山灰で目詰まりして故障する。

健康被害

  • 目:火山灰が角膜を傷つける。
  • 呼吸器:火山灰や火山ガスにより呼吸困難や気管支炎を引き起こす。
  • 肌:火山灰などの影響で肌に炎症が起こる。


火山災害対策の基本的な考え方

ここでは火山災害における対策を基本から順に解説します。

火山災害対策の基本

様々な災害に対して共通の対策で対応可能な部分と、火山災害の特性に合わせて個別対応が必要な部分があります。

個別対応が必要な部分のみ新たに計画し、その他の部分は今ある事業継続計画などを用いることを推奨します。

様々な災害に共通する部分

  • ライフラインが途絶した場合の想定
  • 物流が停止し、物資の調達が困難な場合の想定
  • 従業員が出社できない場合の想定
  • 自社の生産ラインが停止した場合の想定
  • 取引先の事業が停止した場合の想定

個別対応が必要な部分

  • 火山近郊にある事業拠点における物的損害の想定
  • 降灰への備えおよび設備対策
  • 噴火時の対応計画の策定および情報収集
  • 従業員やその家族への教育および訓練

事業拠点における物的損害の想定

企業における、事業拠点ではどのような対策が行えるでしょうか。

被害リスクの想定や火山ハザードマップについて解説します。


物的損害の被害リスクを把握する

火山ハザードマップを確認し、事業拠点周辺の火山災害リスクを把握する必要があります。

富士山噴火については、「富士山火山防災対策協議会」が下記のハザードマップを作成しています。

火山ハザードマップ

火山ハザードマップとは、溶岩流、火砕流、泥流、降灰の影響範囲を描画した地図です。

火山ハザードマップには、ドリルマップと可能性マップがあり、個別でも重ね合わせた図でも確認できます。

ドリルマップ

個々の火山現象ごとに、任意に指定した始点からのシミュレーション結果を示したマップです。

可能性マップ

すべてのドリルマップを重ね合わせ、個々の火山現象が及びうる最大範囲や最小到達時間を示したマップです。

一度の噴火で、色が塗られた範囲すべてに被害が及ぶわけではありません。

建物設備の強化

被害が想定される範囲にある事業拠点については、窓ガラスや屋根などの強度確認と補強を実施しましょう。

降灰エリアに含まれる建物については、雨どいや空調設備などに降灰対策を施す必要もあります。

また、避難訓練や予兆情報の確認などの日頃の防災対策も必須です。


降灰への備えや設備対策、取り組み

火山灰は一度降ってしまうと処理が大変です。出来るだけ降灰を防ぐための対策をご紹介します。

火山灰侵入防止作業

火山が噴火した際、火山灰が到達する前に侵入防止作業を実施する必要があります。

精密機器やクリーンルーム等を有する場合、少しの火山灰が侵入しただけで、生産ラインが停止します。

もしも建物内部に火山灰が侵入すると除灰にかかる時間が倍以上になり、操業再開がどんどん遅れます。

通気管、ガラリ、冷却塔、窓などには、ブルーシート等で徹底した養生作業を行いましょう。

除灰作業

火山灰は溶けることはないため、除灰作業を実施しない限り、永遠に残り続けてしまいます。

降り積もった火山灰は再浮遊し、インフラ等へ悪影響を与える可能性があります。 そのため、降灰が止んだタイミングで、速やかに除灰作業を実施する必要があります。

スコップや箒だけでなく、集塵機やブロア等の機械、降灰量によっては重機などが必要になる可能性もあります。 ハザードマップに記載されている降灰量を参考にして、必要な除灰用具を用意しましょう。


※火山灰による影響や対策についての参考ブログ

  火山噴火で脅威となる火山灰 火山付近に事業所を持たない企業にも影響を与える降灰リスクについてわかりやすく紹介しています。 株式会社レスキューナウ



噴火時の対応計画の策定および情報収集

ここまで火山災害への対策を解説してきましたが、いきなり噴火した状態で円滑な対策が行えるわけではありません。

事前の計画や情報収集の方法をご紹介します。


噴火時の対応計画の策定

前述したように火山灰侵入防止作業など所要時間の長い作業もあるため、タイムラインを策定することが大事です。

誰が、何を、いつまでに実施すべきか、あらかじめ明確に定めておくことで、迅速な復旧活動に繋がります。

また、本部側と現場側のどちらが判断するか等、この項目は誰が判断するのか決めておくことも重要です。 例えば、「生産ラインの停止は工場長が判断し、工場内の状況を本部に連絡する」等の規程を設けておきましょう。

事前に細かく計画を策定していたことで、BCP目標を上回るスピードで事業復旧出来た企業も存在します。

対応計画策定時の注意ポイント

気象庁の火山警戒レベルは、1から順番に2→3→4→5と上がっていくとは限りません。

予兆がない噴火の場合、いきなり3や5に進行していくことも予想されます。

警戒レベルが順番に上がるものと想定したBCPはあまり推奨できないため、注意する必要があります。

火山災害に関する情報収集

予兆なく突然噴火することも考えられますが、予兆がある場合もあるため、情報に留意しておくことが大事です。

また、噴火活動が収束した段階で、素早く除灰作業等の復旧活動に移る必要があります。

そのため、噴火警報や噴火速報などの「発生情報」だけでなく、収束の情報も監視する必要があります。


従業員やその家族への教育および訓練

従業員の安全確保や、そのための教育、訓練も重要です。どんな考え方で対策を行えばよいか解説します。

従業員の安全確保

当然のことながら建物設備の安全対策だけでなく、従業員の安全確保も重要です。 噴火継続中は、火山災害の影響範囲に含まれる地域での無理な就業は避けるべきです。

しかしながら建物の養生作業などで出社してもらう必要も考えられます。

その場合は、最大限従業員の安全に注意を払い、防塵マスクや防護ゴーグル等も用意する必要があります。

従業員の家族も大事

従業員が勤務にあたるためには、家族と自宅の安全が重要です。

噴火時に現場で作業にあたる従業員は、基本的に事業拠点の周辺に居住する者になるかと思います。

従業員の自宅も事業拠点と同じように火山災害のリスクがある場合も考えられます。 そのため、従業員の家族や自宅の安全確保にも配慮している企業が増えてきています。

教育および訓練

富士山が噴火した場合、1時間から2時間程度で火山灰が首都圏まで到達すると予想されています。

数十分から数時間以内に事業所全体の養生を完了しなければなりません。

除灰作業も事業再開までの時間を左右するため、いち早い作業が要求されます。 そのためには、普段から定期的に訓練を実施し、習熟度を向上させる必要があります。

また、災害時は現場判断に委ねるケースが少なくありません。従業員やその家族への啓発活動も効果が期待できます。


まとめ


企業における火山災害とは

火山災害は不確実性の高い災害です。いつ噴火するのかは専門家でも予想するのが難しいと言われています。

被害範囲も実際に噴火するまで想定が難しく、企業が対策を考える上で悩みの種となっています。

解像度の低いリスクにどこまで予算や労力を費やすのか、悩まれる担当者さまも多いのではないでしょうか。

ただ、富士山噴火はいずれ起こる災害であり、首都圏に甚大な被害が発生するおそれがあります。

また、火山災害対策を充実させることで、様々な事象への計画が充実することにも繋がります。 その点においても火山災害対策に取り組むことは、大きな意義があると考えています。

まずは出来ることから始める

災害対策は、自社の事業内容やリソースと照らし合わせて、出来ることから始めることが重要です。

「ここに書かれている内容の全部は実行できないから参考にならない」と思うのではなく、 「ここの部分は自社でも出来る」というポイントを見つけて、自社の対策に活かしてもらえたら幸いです。

自社だけでは不安な部分は、、

自社で作成した初動対応計画などについて、これで充分なのか不安になることもあるかと存じます。

この想定で良いのか、現実的な計画になっているか、少しでも不安が残る場合はお気軽にご相談ください。 レスキューナウは、現実的な初動対応計画や実践的な訓練実施のサポートを得意としています。

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レスキューナウは設立から20年以上「危機管理×情報技術」に取り組んできた、
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現在も「情報配信サービス」「危機管理サービス」「防災備蓄品」の3つの事業を軸に、
皆様の災害対応・危機管理に関する課題解決のサポートをしています。

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