「レジリエンスを高める」ためには
こんにちは!レスキューナウ ブログ担当です。
今月に入り4回目の緊急事態宣言が明け、出社率を上げた企業も多いのではないでしょうか。
出社する人の割合が増えてきた最中、首都圏で震度5強の地震が発生し、帰宅困難者が発生したり、社内・取引先から問い合わせが来る事態となった会社も多かったようです。
その3日後、JR東日本の変電所で火災が発生し、電車や駅への送電が停止したことで、首都圏9路線が最大約7時間運転を見合わせました。
まさにマルチハザードの恐ろしさを痛感する1週間となりました。
そこで今回は、これらのリスクに負けないために、「レジリエンス」という考え方を紹介したいと思います。
この記事の目次[非表示]
- 1.「レジリエンス」とは
- 2.「レジリエンス」を高めるメリット
- 2.0.1.①予測の能力が高まる
- 2.0.2.②打撃(ダメージ)に対する耐久力が高まる
- 2.0.3.③回復スピードが上がる
- 2.0.4.④より良い結果を得る
- 3.「レジリエンス」を高めるためには
- 4.より効果を高めるために
- 5.レジリエンスを強化する「情報の流れ」とは
- 6.最後に
「レジリエンス」とは
最近、リスクマネジメントや防災の分野で「レジリエンス」という概念が注目を集めています。
「レジリエンス」とは、回復力・弾性(しなやかさ)のことで、BCP分野においては「危機(事業継続を阻む因子)に対して柔軟に対応する力」という意味合いで使われています。
「レジリエンス」を高めるメリット
ハーバード・ビジネス・レビューでは、レジリエンスが高い企業は、低い企業と比べて、以下4つのメリットがあると言われています。
①予測の能力が高まる
差し迫っているリスクにいち早く気付くことができます。
迅速なスタートダッシュを切ることで、危機を回避・軽減することに繋がります。
②打撃(ダメージ)に対する耐久力が高まる
危機により受ける打撃(ダメージ)を最小限に抑えることができます。
③回復スピードが上がる
復旧するためにどのような修正が必要かを見極め、それを迅速かつ有効に実行できます。
④より良い結果を得る
普及した後、被災以前よりも強固な組織に成長することができます。
出展:Harvard Business Review「企業はレジリエンスを高めるために何をすべきか」
「レジリエンス」を高めるためには
「レジリエンス」を高めるためには、以下の6つの要素を軸に考えます。
①冗長性
複数の手段やバックアップを有しているか。
サプライチェーンでは、マルチファブやマルチサプライヤーといった施策が用いられています。
※詳しくは、こちらをご覧ください。
②多様性
多様な対応策を持っているか。
BCPにおいては、対応策の多様化はもちろん、現場・担当者への権限移譲も重要になります。
③モジュラー性
組織を細分化し、個々の要素がダメージを受けても全体が破綻しない状況を作れているか。
境界線のはっきりした小規模な単位に分割することで、個々の要素の状況を把握しやすく、危機の際には素早く組み立て直すことが出来ます。
④適応力
試行錯誤を通じて進化できているか。
防災・BCPにおいては、過去の被災経験や訓練で顕在化した課題を基に、対応策の見直しを実施できているかが重要です。
⑤慎重さ
重大なリスクがある場合、そのリスクがいつかは発生するものと考えて行動できているか。
事前に予防措置を取ることだけでなく、誤情報に惑わされずにきちんと状況を見極めて判断する慎重さも重要です。
⑥一体性
企業の目標や活動が、サプライチェーン全体や社会全体のニーズと合致しているか。
大規模な災害が発生すると、取引先や地元住民との連携が必要になる場合も多いです。
より効果を高めるために
上記6つの要素を充実させることと並行して、危機発生時に実践できる体制づくりも推奨します。
BCPをはじめとしたリスクマネジメントの取組みと、危機が発生したときに実践できる状態を作るクライシスマネジメントを並行して走らせることで、よりレジリエンスが高まります。
そのために肝心なのが「円滑な情報の流れ」を構築することです。
レジリエンスを強化する「情報の流れ」とは
レスキューナウは、「情報の流れ」を以下の4つに分けて考えています。
①危機の覚知
まずは災害や事故、事件の発生を覚知することが災害対応の第一歩です。
いかに素早く覚知することができるかで企業の命運が分かれることもあります。
自社へ影響が出る前に事象の発生を覚知するために、TVやインターネットだけでなく、リスクの発生を知らせてくれるPUSH型サービスを導入している企業が増えてきています。
②状況の把握
危機の発生を覚知した後は、ライフラインの稼働状況や交通機関の状態なども確認する必要があります。
そして、自社や取引先への影響の有無を確認し、影響の可能性がある場合には、従業員や取引先へ被害状況を確認する流れになるかと思います。
影響の有無を確認するために、収集した情報と事業所リスト・取引先リストを突き合わせている担当者様も多いですが、この作業に時間を取られて状況把握が遅れてしまうこともあるようです。
③情報共有
状況が把握できたら各部署や取引先に情報を共有します。
情報共有の手段やフォーマットが定まっていない会社の場合、部署や事業所ごとにばらばらの形式で共有されていて、集約するのに無駄な時間が発生しているケースもあります。
④報告
対応状況を経営層に報告(特段被害がない場合は、対応クローズの報告になるかと思います)。
報告資料の作成に時間を取られていたり、慌ただしい災害対応の最中に何度も上司から催促が来る、というお話もよく聞いています。
あらかじめ報告のタイミング(対応開始から2時間後に報告を入れる等)と、フォーマットを決めておくことで、報告する側も受ける側もストレスが軽減します。
最後に
テレワークが浸透する中で、様々なバックオフィス業務がDX化していますが、上記「情報の流れ」もクラウドサービス等を導入してDX化している企業が増えています。
特に、社内の情報共有など外部に委託できない業務は社員が担うとして、リスク情報の監視・集約作業は外部リソースを活用すると効率的です。
レスキューナウは、危機管理ソリューション「レスキューWeb」を通じて、リスク情報を専用ウェブサイトとメール経由で素早く提供し、お客様の情報の流れをサポートしています!
サービスの詳細は、下記よりご覧くださいませ。