【クライシスカレンダーから】風による災害の話
■この記事の情報は、2019年12月5日現在の情報です。
こんにちは。 レスキューナウ ブログ担当です。
12月に入りました。 一段と冷え込む日もあり、いよいよ冬が来ました。 さて、レスキューナウでは、「クライシスカレンダー」を防災・危機管理ストックコンテンツとして取り扱っています。 カレンダーには多数の災害を準備していますが、今回からその中の一部を、代表的な災害を中心に毎月ご紹介します。
冬によくある災害といえば強風。 そこでブログ担当が真っ先に思い浮かべたのは、2016年12月22日に発生した新潟県糸魚川市の火災です。
強風による火災
空気が乾燥し、火事が発生しやすい冬。フェーン現象による強い南風が吹き、季節外れの暖かさとなった糸魚川市中心部で、1軒の飲食店から火災が発生しました。 火災は強風にあおられて延焼。約150軒の家屋が焼け、消防隊員を中心に約10人の負傷者が発生しました。
中心市街地が焼け、著名な料亭や酒蔵も被害を受けましたが、糸魚川市では、現在もなお復興への取り組みが続けられています。
冬の強風による火災は、この糸魚川市以外にも、1949年2月20日の能代大火(秋田県)、1940年1月15日の静岡大火(静岡県)、1966年1月11日の三沢大火(青森県)と、過去にも繰り返し発生しています。
強風による停電も
さらに遡ること11年、2005年の同じく12月22日に、新潟では別の強風による災害が発生していました。 2005年12月22日発生の、新潟県での大規模停電です。
強い冬型の気圧配置の下、暴風雪により送電線が異常な振動を起こし、また海からの塩分を含んだ雪が送電線に付着して、送電設備が故障。新潟市を中心に大規模な停電が発生しました。停電は最大で約30時間にも及びました。
列車脱線事故も発生
この3日後、2005年12月25日には、新潟県に隣接する山形県庄内町で、羽越本線特急列車脱線転覆事故も発生しました。 橋梁前後の盛土区間で、突風にあおられ6両編成の特急列車全車両が脱線、うち3両は転覆し、死者5人負傷者33人を出す悲惨な事故となりました。
橋梁付近で突風にあおられて脱線転覆する事故は過去にも発生していて、1986年12月28日、兵庫県香住町(現在の香美町)の余部橋梁で、横風に煽られて橋梁上から列車が脱線した、余部鉄橋列車転落事故も発生しています。
以上、クライシスカレンダーから、12月を中心に発生した強風による災害をご紹介しました。 過去を教訓に、今を備えるヒントとしていただければ幸いです。