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【災害が起きた時】「避難勧告」「避難指示」とは?

■この記事の情報は、2020年5月15日現在の情報です。

この記事の目次[非表示]

  1. 1.3つの段階がある
  2. 2.「避難準備・高齢者等避難開始」とは
  3. 3.「避難勧告」とは
  4. 4.「避難指示(緊急)」とは

こんにちは。 レスキューナウ ブログ担当です。

前回、「「避難をする」とは?」と題して、避難行動とは、具体的にどのような行動なのかをまとめました。 ところで避難といえば、災害時になると避難勧告、避難指示などの言葉が飛び交います。 これら用語は、果たして何を示しているのでしょうか?


※2021年5月20日、避難情報は大幅に変更されました。避難情報と防災気象情報の対応表はこちらをご覧ください。

  警戒レベル相当の「相当」ってなに? | 株式会社レスキューナウ 警戒レベルと警戒レベル相当の違いについて、災害対策基本法改正後の避難情報との対応について解説しています。 株式会社レスキューナウ


3つの段階がある

まず3つの用語の存在を押さえてください。
「避難準備・高齢者等避難開始」「避難勧告」「避難指示(緊急)」です。 台風や大雨で土砂崩れや水害が発生しそうになると、ニュースでこの3つのフレーズが繰り返し流されるのは、ご存知かと思います。

以前は、それぞれ「避難準備情報」「避難勧告」「避難指示」という名称でした。 確かによく見れば、「準備」「勧告」「指示」と緊急性の度合いが高まるのは分かりますが、緊急度の関係性がはっきりと捉えられません。 2016年の台風10号通過の際、岩手県岩泉町で発生した豪雨災害で多くの犠牲者が出た経緯などにより、名称が変更されました。


岩泉の市街地と水害が発生した小本川


改めて緊急性が高い順に上から並べると、

避難指示(緊急)

避難勧告

避難準備・高齢者等避難開始

以上の順となります。 なおこれらは、災害対策基本法に基づき、市町村長が発令します。


「避難準備・高齢者等避難開始」とは

しかし、それぞれがどのような状況を想定しているのかは、ご存知でない方も多いのでは? そこで、前回も読み解いた内閣府の「避難勧告等に関するガイドライン」を今回も調べてみました。

まず3番めにあたる「避難準備・高齢者等避難開始」から。
「避難準備・高齢者等避難開始」は、ガイドラインによると

  • 高齢者等要配慮者の避難を開始する
  • それ以外の人は、避難の準備を開始する

とされています。 また、

  • 土砂災害警戒区域や危険箇所(土石流危険渓流、地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊)に指定された場所の居住者など
  • 上記の警戒区域や危険箇所に指定された河川沿い等の居住者など

に対しては、「避難準備・高齢者等避難開始」が発令さた時点で、次の段階である「避難勧告」が発令される前の、自発的な避難が推奨されています。


茨木市役所「避難準備情報等の名称変更について」( https://www.city.ibaraki.osaka.jp/kikou/soumu/kikikanri/menu/preparation_disaster/ibarakievacuateinfomation.html )より引用


つまり、災害はまだ発生していませんが、避難を相手して準備をする段階ですが、移動しにくい人や災害が起こりやすい場所に住む人は、早めに避難しましょう、という段階です。


「避難勧告」とは

「災害による被害が予想され、人的被害が発生する可能性が高まった場合」に発令されます。

ガイドラインによると「避難勧告」が発令される時点で、既に全員の避難することとされています。 ここでいう避難とは、前回の記事でも記した避難行動「指定緊急避難場所への立ち退き避難」や「「近隣の安全な場所」への立ち退き避難」です。

「避難勧告」のポイントは、2点あると言えます。 一点目は、必ずしも避難準備・高齢者等避難開始→避難勧告という順番を経ずに、災害の状況によっては避難勧告から発令される可能性があること。 もう一点は、避難勧告が全員避難を前提としていること、です。

つまり、準備をする段階を飛ばして、いきなり避難開始する状況になる可能性もあるのです。 この対策は、避難を行うとすれば、避難できないならばどうすればよいのか、という日頃からの準備です。

内閣府防災情報ページ「早め早めの避難を行うために」(http://www.bousai.go.jp/oukyu/hinankankoku/hinankodo/index.html ) より引用


「避難指示(緊急)」とは

「避難勧告」の段階で、既に全員の避難が前提、と上の項で記しました。 では、その一段上にある「避難指示(緊急)」は、どのような場合に発令されるのでしょうか?

「避難指示(緊急)」は、「災害が発生するなど状況がさらに悪化し、人的被害の危険性が非常に高まった場合」とされています。 避難勧告は「予想」や「可能性が高まった」とされる段階でしたから、より一層危険な段階に達した、と言えます。

もちろん、「避難指示(緊急)」から発令される場合もあります。 津波など、急に発生し、一刻も早い避難が求められる災害に対してです。 一例を挙げると、秋田県男鹿市では、

津波災害は、危険地域からの一刻も早い避難が必要となることから、「避難準備・高齢者等避難開始」及び「避難勧告」は発令せず、基本的には「避難指示(緊急)」のみを発令するものとする。
1) 避難指示(緊急)
① 津波に関する注意報及び警報が発表されたとき。
② 市長が避難指示(緊急)を必要と判断したとき。

と、定めています。


「避難について考えよう」と言われても、漠然としていて何からすればよいのか、分かりません。 しかし、このような言葉や用語も、それぞれ用いられる基準や行うべき行動など、意図するところがあります。

「避難」という言葉の中にあるものを少しづつ分解して考えることで、日頃から災害への備え、避難への備えを進められればと考えます。


※2021年5月20日、避難情報は大幅に変更されました。避難情報と防災気象情報の対応表はこちらをご覧ください。

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