【東日本大震災から10年】企業の災害対応の進化
こんにちは。
レスキューナウ ブログ担当です。
戦後最悪の災害と言われる東日本大震災から10年が経過しました。
この震災を教訓にして、BCPや災害対応を見直した企業も多いかと思います。
そこで、東日本大震災を契機に進化した災害時のコミュニケーションツールを見ていきます。
■この記事の情報は、2021年3月15日現在の情報です。
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当時のコミュニケーションツールは?
阪神・淡路大震災が起きた1995年において、緊急連絡網を用いた安否確認が一般的でした。
ただ、1995年当時は、携帯電話の普及率が10%にも満たず、緊急時に連絡を取ることが難しい状況でした。なお、この翌年から爆発的に携帯電話の普及率が増えています。
出典:総務省 平成27年版 情報通信白書「携帯電話の普及と高度化」
東日本大震災が起きた2011年においては、フィーチャー・フォンの普及が90%以上となっており、スマートフォン等の通信端末もありました。しかし、災害直後は通信規制が行われ、なかなか電話が繋がらない状況になりました。また、メールにおいても、各キャリアのサーバーで処理件数の急増による滞留が発生し、メールの受信に遅延が発生していました。
出典:総務省 平成29年版 情報通信白書「数字で見たスマホの爆発的普及(5年間の量的拡大)」
東日本大震災後、メッセンジャーアプリが登場!
今月1日にZホールディングスと経営統合して話題になったLINE株式会社は、東日本大震災をきっかけにメッセンジャーアプリを開発しました。その後、10年で8,600万人以上のユーザーが利用する国内最大のユーザー数を誇るSNSにまで発展しました。
最近では、「EメールよりもLINEやSNSのメッセージ機能を利用して連絡を取っている」という方も多いのではないでしょうか?
その流れは、ビジネスにも波及しており、社内でメッセージアプリ等のコミュニケーションツールを導入している企業が増えてきています。
ビジネスにおけるコミュニケーションツールの利用状況
2020年5月~6月に実施された調査結果*によると、ウェブ会議システムが79.2%、ビジネスチャットツールが46.2%、オンラインストレージが37.4%、タスク/プロジェクト管理ツールが8.4%の会社で利用されていました。(出典:矢野経済研究所プレスリリース)
日常業務だけでなく、災害時に活用している企業も!
コロナ禍によって、災害対応もリモート対応が進み、ウェブ会議システムやビジネスチャットツールを利用している企業が増えてきています。
災害時における「従業員の安否確認」、「自社拠点・取引先の状況確認」、「災害情報」、「インフラ稼働情報」の共有をはじめ、災害対策本部の会議などが会議室に集まらないで行われるように変わってきています。
チャットツールは、日常業務から利用しているメッセージや画像投稿の機能を用いて、災害時には被害状況をスマートフォンで撮影した画像や、被災現地の状況報告等に活用することで災害対応にも利用している企業が多く見受けられます。
災害時のチャットルームで陥りやすいケースとは
チャット形式の場合、参加者の多いスレッドでは、相当量の投稿が飛び交うことも予想されます。そのため、各担当者から投稿された内容を集計する作業に時間がかかってしまった例もあります。
災害時に情報共有するためのスレッドを別で用意しておく、参加者は必要最低限の担当者のみに留めておく、全員で編集できるようにエクセル等の共有ファイルをアップロードしておく等の運用ルールを決めている企業もいらっしゃいます。
安否確認システムを有効利用するケースは今も増加傾向!
100名以上の従業員を抱える企業などの場合、従業員からの安否報告を集計するだけでも負荷が大きいと思います。そのため、従業員の安否確認には、自動配信・自動集計の機能を備えたシステムを導入している企業が増えています。
東日本大震災でメールの受信に遅延が発生したことを受けて、アプリも用意した安否確認システムが増えています。