警戒レベル相当の「相当」ってなに?
こんにちは。
レスキューナウ ブログ担当です。
これから風水害シーズンを迎えると、「警戒レベル」という言葉が頻出します。
「警戒レベル」と似た言葉で「警戒レベル相当」という言葉も存在します。
この2つの言葉を明確に区別できていない人は、意外と多いのではないでしょうか?
そこで、本ブログにてわかりやすく解説していきます。BCPに携わる方は、ぜひご覧ください!
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「警戒レベル」と「警戒レベル相当」の違い
どちらも災害時に住民の避難行動等を促す目的で発表(発令)されますが、情報を発表(発令)する機関や情報の種類に違いがあります。
「警戒レベル」は、自治体(市町村)が発令する避難情報等を指します。
「警戒レベル相当」は、主に気象庁などが発表する防災気象情報を指します。
情報の発表元が異なるということは、当然ながら情報が掲載される場所も異なります。
警戒レベルや警戒レベル相当の情報を活用する場合は、それぞれの情報がどこに掲載されるかも含めて整理しておくことをオススメします。
警戒レベル相当の「相当」とは?
警戒レベルは、危険度に応じて5段階で運用されており、それぞれのレベルごとに取るべき行動が示されています。
警戒レベル「相当」とは、気象警報・注意報などの防災気象情報を、警戒レベルで用いられている5段階のレベルに当てはめた場合、どのレベルに「相当」するかを表しています。
同じ基準を用いることで、自治体が発令する避難情報を待つだけでなく、気象庁などが発表する「状況の情報」を基に、住民が主体的に行動できるような仕組みとなっています。
避難情報と防災気象情報の対応表
警戒レベル |
警戒レベル相当 |
危険度分布* |
|
レベル5 |
緊急安全確保 |
大雨特別警報
氾濫発生情報
高潮氾濫発生情報
|
(黒色) |
レベル4 |
避難指示 |
土砂災害警戒情報
氾濫危険情報
高潮(特別)警報
|
濃い紫、薄い紫
(紫色)
|
レベル3 |
高齢者等避難 |
大雨警報、洪水警報
氾濫警戒情報
高潮注意報
|
赤色 |
レベル2 |
‐ |
大雨注意報、洪水注意報
氾濫注意情報
高潮注意報
|
黄色 |
レベル1 |
‐ |
早期注意情報 |
‐ |
※上記表は、2021年の災害対策基本法改正後の内容を反映しています。(レスキューナウ作成)
2021年5月20日災害対策基本法改正による変更点
①河川の情報
以前は、警戒レベル相当情報として扱われる河川の情報は、指定河川洪水予報のみでした。
→新たに水害リスクライン(国管理河川の洪水情報)も追加!
さらに、2021年6月1日より国管理河川の指定河川洪水予報における各水位観測所の水位・予測流量の予測情報が、今までより3時間も早く発表されるようになりました。以前は3時間先までの予測情報のみでしたが、現在は6時間先までの予測情報が発表されています。
指定河川洪水予報における予測情報が6時間先までに延長された影響で、氾濫警戒情報も今までより早い段階で発表される見込みです。ただし、早い段階での予測情報は、不確定性が大きくなるため留意する必要があります。
図:国土交通省「川の防災情報ウェブサイト」
②危険度分布の色分け*
2022年度以降には、濃い紫色と薄い紫色を「紫色」に一本化し、新たに災害の切迫を示す警戒レベル5相当の危険度分布「黒色」を設けることも検討されています。
なお、新しく「キキクル」という愛称が発表されました。ユーザーインターフェースも刷新されましたので、ぜひ一度ご覧ください。(気象庁ウェブサイト「キキクル」)
※2022年追記:2022年6月より従来の薄い紫色と濃い紫色が「紫色」に一本化され、警戒レベル5相当の「黒色」が新設されました。詳細はこちらのお役立ち資料をご覧ください。
最後に
災害対応にあたる際は通常の業務を停止して対応しなければいけないことも多いため、本当に対応が必要なレベルの事象なのか数値をもって判断したいとお考えの企業様も多いと思います。
そのため、「警戒レベル3以上で従業員に注意喚起を実施する」、「警戒レベル4以上で事業所や取引先に稼働状況を確認する」等、警戒レベルをしきい値に設定している企業様もいらっしゃるのではないでしょうか?
この場合に1点留意しておく必要があるのは、『「警戒レベル(相当)」は住民向けの情報である』ということです。必ずしも企業の災害対応と住民の避難行動は同基準で語られることばかりではないため、自社のしきい値として活用可能か適切に判断する必要があります。
自社に最適なしきい値についてお悩みの方は、ぜひアドバイザリーサービスもご検討ください。