消毒用アルコール、次亜塩素酸水・次亜塩素酸ナトリウムのメリット・デメリットと、第三の除菌剤
こんにちは!レスキューナウです。
お店に入るときは必ず「シュッ」とやるあれ、コロナによって広く身近になった除菌剤・消毒剤ですが、貴社で使っている除菌剤はどんなものがありますか?
今回は消毒用アルコール(消毒用エタノール)や次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウムを使用するときの注意点をご紹介いたします。
サル痘の流行もニュースとなる中、それぞれの消毒剤をどのように企業で利用していくかの参考にしていただければと思います。
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消毒用アルコール(消毒用エタノール)の特徴
普段の生活で身近なアルコールですが、意外と知られていないこともあり、ぜひこのあとも読み進めていただければと思います。
消毒用エタノールは世界で広く使われ、手指に擦り込んだり物体表面に噴霧するなどして除菌する手軽な利用方法で衛生を保つことができます。
適切な濃度のものを使用する、可燃性のため火気に注意し消防法の範囲内で備蓄するなど注意しましょう。
危険物に該当する消毒用アルコール(アルコールの濃度が60%以上(重量%)の製品)は、消防法では第四類・アルコール類に分類され、消防法または火災予防条例により、その数量に応じて消防署へ許可申請または届出が必要となります。
~東京消防庁『消毒用アルコールの貯蔵に係る運用について』~
また、アルコールには
- エタノール
- メタノール
がありますが、
メタノールは工業系のアルコールであり、人体に有害ですので、くれぐれも使用しないように注意が必要です。
アルコール濃度について
消毒用アルコール(消毒用エタノール)は濃度によって除菌能力が上がったり下がったりします。
濃度が高ければ高いほど良いというわけではありません。
重量%、容量%などよく見かけるかと思いますが、その区別についてはこちらのブログを合わせてご覧ください。
保存に際しては濃度によって届出が必要な場合があるので、注意が必要です。
除菌能力
消毒用アルコール(消毒用エタノール)での除菌は、細胞壁や細胞膜を破壊し、細胞の中身を漏れださせるもので、増殖を阻害したり、除菌を行うものです。
アルコール濃度76.9~81.4 v/v%(容量%)の濃度のものが除菌効果が期待できるとされており、60 v/v%(容量%)あれば十分というWHO(世界保健機関)のガイドラインもございます。
また、ノロウイルスなどのエンベロープ(脂質性の膜)がないウイルスでは効果が出にくいとされています。
普段見慣れているアルコールも万能ではないので、どのような菌、ウイルスに対応したいかで除菌剤を検討する必要があります。
除菌時間
除菌に要する時間は60~90秒以上は目安として必要とされています。
私たちは直感的に「シュッとやったらすぐに除菌される」と思いがちですが、除菌までに時間がかかるということは認識しておきましょう。
また、手指が汚れている場合や、濡れている場合は効果が低くなる場合があると言われています。充分な量を手に取り、じっくり擦り込む必要があります。
保存期間
消毒用アルコール(消毒用エタノール)の保存期間は一般に約2年ほどです。
また、消毒用アルコールは気化しやすく、かつ紫外線などの影響も受けるため、使用期限は開封してから1~3か月と言われています。
保存食などは5年以上保存期間があったりしますが、除菌剤は消費しながら買い足していくローリングストックが理想的です。オフィスにしばらく置きっぱなしの除菌剤が無いか、改めて点検してみましょう。
漂白性
一部の塗料や染色、いわゆる油性マジック等で書かれたものを色落ちさせる場合があります。
金属腐食性
アルコール(消毒用エタノール)はアルミニウムに腐食性があるとされます。
ABS樹脂などのプラスチック類について、変色や変形の危険性があります。
刺激性
アルコール(消毒用エタノール)は肌の弱い方にとっては刺激が強い場合があります。アレルギーをお持ちの方もいるので注意しましょう。
毒性
誤って噴霧したり誤飲により急性アルコール中毒などを起こす可能性があるため注意しましょう。
消臭能力
臭いの原因菌の中で消毒用アルコールに効くものについては、除菌することで消臭効果が期待できる言われています。
次亜塩素酸水の特徴
次亜塩素酸水は、食品添加物として食品の消毒にも使われる酸性の液体(一部アルカリ性の特性をもっているものもあります)です。
消毒用エタノールが不足していた頃に販売されました。
適切な濃度のものはノンエンベロープウイルス(脂質性の壁がにないウイルス)にも効果が期待できます。
主成分がアルカリ性の次亜塩素酸ナトリウムとは別物です。
除菌能力
人体への影響が少ないとされ、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムの代替品として各社から販売されましたが、その特性上劣化が早く、長期間の備蓄向きではありません。
新型コロナウイルスに対しては一定の濃度以上の次亜塩素酸水が有効であると研究機関からも発表されています。
除菌時間
次亜塩素酸水は、
- 電解型
- 非電解型
に大別され、
電解型はさらに、
- 強酸性
- 弱酸性
- 微酸性
の3つに分類されます。
型によって、そして細菌やウイルスによっても大きく変わりますが、
不活性化まで10秒ほどと短時間で、次亜塩素酸ナトリウムに比べて80倍も殺菌スピードが速いという調査もあるようです。
保存期間
次亜塩素酸水の保存期間は、直射日光や高温多湿を避けた環境で1か月~6か月と言われています。
水に溶かして次亜塩素酸水を生成した場合、商品によっては1日以内の利用が推奨されていたりします。
保存期間が短いものが多く、遮光性のないスプレーボトルなどに入れておくと数時間で効果が無くなる場合があります。
使用中も当日中に使い切る量をボトルに入れるなど、適切な環境での保管が必要ですので注意しましょう。
漂白性
次亜塩素酸水に漂白性はないと言われている商品が多いですが、酸性を忌避する塗装、素材には充分注意しましょう。
金属腐食性
電解型の中で低濃度の次亜塩素酸水であれば腐食性は低いと言われています。
刺激性
次亜塩素酸水の人体への刺激性は低いと言われています。
毒性
次亜塩素酸水の毒性は低いと言われています。
消臭能力
次亜塩素酸水には消臭能力があると言われているものがあります。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の特徴
次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性の物質で家庭用のいわゆる塩素系漂白剤として市販されているものです。
これまで新型コロナウイルスの消毒に使われてきたもので、国際機関等で推奨されている非常に強力な消毒液で、エンベロープ、ノンエンベロープ問わず(脂質性の膜の有無に関わらず)あらゆる菌、ウイルスの除菌に使われています。
ただし、人体への刺激や金属腐食性、漂白性があるため使用に注意が必要です。
除菌能力
次亜塩素酸ナトリウムの除菌能力は強力で様々な菌やウイルスに効果を示します。
医療機器やリネンの消毒にも使われています。
新型コロナウイルスのエンベロープ(ウイルスの脂質性の膜)は薬剤感受性が高く、次亜塩素酸ナトリウムは効きやすいと国も認めるところです。
除菌時間
除菌する対象物や菌、ウイルス、環境によってことなりますが数十秒から数分で効果が出ると言われています。
保存期間
保存期間は半年から1年ほどとされています。
スーパーやドラッグストアで販売されているものは製造年月日等の表記がないため、購入して初回使用してから3か月程度で使い切ると、濃度を保ったまま使用できると言われています。
定期的に買い足していきながら使用するとなると、計画的な購入が必要ですね。
漂白性
次亜塩素酸ナトリウムは強い漂白性があります。
衣服や塗装等の脱色能力が高いため、取り扱いに注意しましょう。
衣服などに散らないよう気をつけたいものです。
金属腐食性
あらゆる金属に対して強い腐食性があります。
次亜塩素酸ナトリウムを使用するときは金属性のものへの使用を避けたり、やむを得ず使用する場合は十分にすすいだり、水ぶきが必要になってきます。
機器を扱っている場所は特に気をつけたいですね。
刺激性
次亜塩素酸ナトリウムは強い刺激性があるので注意が必要です。
皮膚に接触してヌルヌルした経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、皮膚表面が溶けているのが原因です。
皮膚炎や湿疹が生じてしまう恐れがあるので、ゴム手袋やゴーグルをするなどして、直接肌や目に触れないような使い方をしましょう。
毒性
経口での摂取や吸入により人的に悪影響があります。
また、酸性の物質と混ざると塩素ガスが発生し大変危険です。
前述の次亜塩素酸水と誤って混ぜると大事故につながるため、取り扱いに注意してください。
消臭能力
臭いの原因菌を除菌することで高い消臭能力があります。
ただし次亜塩素酸ナトリウムに強い塩素臭があるので留意してください。
全てを兼ね備えた第三の除菌剤?!
今回は紹介しきれないのですが、アルコールや次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウムのメリットを網羅し、デメリットをカバーする除菌剤も出てきています。
多くの市区町村・消防署、保育施設などで長期間継続的に採用されている実績があり、効果に定評をいただいている除菌剤を少しづつですが、民間企業向けにも販売を開始いたしました。
商品の特性上、対面で実演し効果や安全性を十分に説明する機会をいただきます。
ご興味ある企業様は以下相談窓口までお問い合わせください。
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