総務のファシリティ管理とは?必要業務やメリットを解説
こんにちは。レスキューナウです。
組織や企業の円滑な業務運営を支援するために重要な役割を果たすファシリティ管理についてわかりやすく、そもそも何をするものなのか、必要な業務や実施するメリット、必要スキルについて解説します。
この記事の目次[非表示]
- 1.総務のファシリティ管理(ファシリティマネジメント)の特徴
- 2.総務がファシリティ管理を行うメリット
- 2.1.設備のムダな使われ方を明らかにしてコスト削減
- 2.2.ビジネスモデルに適した運用で生産性向上、満足度アップ
- 2.3.環境問題への貢献
- 2.4.防災・安全性の向上
- 3.総務のファシリティ管理の業務内容
- 3.1.不動産の管理業務
- 3.2.オフィス、施設の建物管理
- 3.3.社内環境を整備
- 3.4.備品、機器などの管理・手配
- 4.総務のファシリティ管理で必要なスキル、資格
- 4.1.ファシリティマネージャーに求められるスキル
- 4.2.ファシリティ管理における資格
- 4.2.1.認定ファシリティマネージャー
- 4.2.2.不動産証券化協会認定マスター
- 4.2.3.建築物環境衛生管理技術者
- 5.総務がファシリティ管理を行うポイントを紹介
- 5.1.市場調査と分析
- 5.1.1.他社のオフィス管理、取り組みを調べる
- 5.1.2.従業員からアンケートをとる
- 5.1.3.文書やデータを調査する
- 5.1.4.設備や機器のコストを調査する
- 5.2.取り組みの効果を振り返る
- 6.災害・危機時にファシリティ管理に活用したいツールやサービス
- 6.1.災害時に施設の状況確認の情報を自動で集約できるサービス
- 6.2.災害に備えた体制の構築や防災訓練
- 6.3.課題相談窓口
- 6.4.企業向け防災備蓄相談窓口
総務のファシリティ管理(ファシリティマネジメント)の特徴
総務のファシリティ管理は、組織や企業の円滑な業務運営を支援するために重要な役割を果たしています。
総務が行うファシリティ管理(ファシリティマネジメント)とは?
ファシリティ管理、ファシリティマネジメントとは、施設や設備、物品などを効率的に管理することで、組織内の業務プロセスを最適化することを目指しています。総務部門が主に担当しています。
ファシリティ管理の重要性が高まっている
近年、組織や企業はファシリティ管理の重要性をますます認識しています。効率的なファシリティ管理は組織の総合的な業務効率や生産性に直結するからです。
コスト削減や生産性向上の観点だけではありません。持続可能性や環境への配慮も重要視される時代になりました。
特にカーボンニュートラルや政府からの節電要請など、省エネを意識した施設管理が推奨され、企業での推進されています。
また、新型コロナウイルス感染症の流行により感染症対策や衛生管理が重要視されるようになりました。オフィスの出社率も大きな変化が起き、ファシリティ管理の領域でも変化が求められています。
総務がファシリティ管理を行うメリット
総務部門がファシリティ管理を行うことには、さまざまなメリットがあります。
総務部門がファシリティ管理を担当することで、組織は設備や施設の活用効果を最大化することができます。設備や施設は組織の重要な資産であり、効果的に活用することは競争力を高めるために不可欠です。
設備のムダな使われ方を明らかにしてコスト削減
総務部門がファシリティ管理を行うことで、設備のムダな使われ方を明らかにすることができます。ファシリティマネージャーは、設備の利用状況や使用率を詳細に分析し、無駄な使われ方や過剰なリソースの使用を特定します。
設備のムダな使われ方の例としては、稼働していない設備や使用率の低い施設があります。これらの設備や施設を特定し、必要ない場合は削減や代替策を検討することができます。また、リソースの浪費を防ぐために、設備の効率的な使い方や適切な利用方法を提案することも重要です。
さらに、ファシリティマネージャーは、設備の使用状況やリソースの使用状況をモニタリングすることで、将来の需要や傾向を予測することができます。これにより、需要予測に基づいたリソースの適切な配置や投資計画を立てることができます。適切な予測と計画に基づいた運用は、組織の効率性を高め、将来の成長に備えることができます。
ビジネスモデルに適した運用で生産性向上、満足度アップ
適切な設備や快適なオフィス環境は、生産性を向上させるとともに、顧客や従業員などの利用者の満足度アップに貢献します。
ファシリティマネージャーは、自社のビジネスモデルや利用者のニーズや要望を把握し、それに合わせた施策や改善策を実施します。オフィス環境の改善や共有スペースの整備、設備の使いやすさや安全性の向上など、利用者が求める要素を考慮した施策が重要です。
総務部門は利用者の視点に立ち、利用者の期待に応えるための戦略を立て、それを実施することで、顧客や従業員の満足度を向上させることができます。
利用者の満足度の向上は、組織のイメージ向上や競争力強化にもつながります。満足度の高い利用者は、組織に対してポジティブな評価や口コミを発信し、他の利用者や顧客にも影響を与えます。逆に、利用者の不満や不便さは、組織の評判やビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。ファシリティ管理を通じて利用者の満足度を向上させることは、組織の長期的な成功において重要な要素です。
環境問題への貢献
エネルギー管理や環境への配慮も重要です。エネルギー効率の向上や環境負荷の削減に取り組むことで、経費削減と環境保護の両面を実現できます。
エネルギー効率を向上するには、省エネルギー設備の導入やエネルギー管理システムの活用したり、従業員の省エネルギー意識の向上をしていく必要があります。
防災・安全性の向上
総務がファシリティ管理を考える際、生産性やコスト以外にも防災や利用する上での安全性を考慮する必要があります。
- 万が一災害が発生した際に避難しやすい状態になっているか
- 地震で物が落ちてこないか、倒れてこないか
- 防火対策は十分か
- 防犯はできているか
といった観点でファシリティ管理を行うことで従業員が安心安全に働ける環境にすることができます。
総務のファシリティ管理の業務内容
総務部門のファシリティ管理業務は、組織内の不動産、オフィスや施設の建物、社内環境、備品や機器などの管理と手配を含みます。総務部門はこれらの要素を効果的に管理することで、組織の効率性や生産性を向上させる役割を果たします。
不動産の管理業務
総務部門は、不動産の契約管理、賃料・税金の支払い管理、建物の保守・修繕、賃貸契約の交渉などを担当します。また、組織の不動産ポートフォリオを最適化するために、不動産の利用状況や需要予測の分析を行い、適切な不動産戦略を策定します。
不動産の管理業務では、法的な要件や規制に対応することも重要です。総務部門は地方自治体や関連する機関とのコミュニケーションを行い、必要な許認可や報告書の提出などの手続きを適切に行います。また、不動産の評価や将来の需要予測に基づいて、適切な不動産投資や買収、売却の判断を行います。
オフィス、施設の建物管理
建物の安全性、快適性、機能性の維持・向上を目指し、建物の設備や設備機器の管理も行います。例えば、空調設備や電気設備、セキュリティシステムなどの保守管理や故障時の対応、修理や交換手配などを担当します。建物の設備や機器の適切な管理と保守は、施設の効率的な運営と利用者の安全性を確保するために欠かせません。
社内環境を整備
社内環境の整備には、オフィス内のレイアウトやデザイン、照明、音響、内装などの要素が含まれます。総務部門は、従業員の働きやすさや生産性を向上させるために、快適な作業環境を整える役割を果たします。
社内環境の整備には、従業員の意見や要望を反映させることも重要で、快適な作業スペースの確保、集中力を高めるための静音化対策、リラクゼーションスペースの設置などが挙げられます。
また、社内環境の整備には、環境への配慮も含まれます。
総務部門は、エネルギーの効率的な使用や廃棄物の適切な処理、環境に配慮した資材や機器の選定などを行います。環境への取り組みは、企業の社会的な責任を果たすと同時に、従業員の意識やモラル向上にも寄与します。
備品、機器などの管理・手配
備品や機器の管理には、在庫管理や棚卸し、発注業務などが含まれます。総務部門は、適切な在庫レベルを維持し、必要な時に必要な量の備品や機器を手配します。また、消耗品の補充や交換、機器のメンテナンススケジュールの管理なども行います。
さらに、備品や機器の管理にはセキュリティや安全性の確保も重要です。総務部門は、機密情報の保護や資産管理、安全対策の実施などを行い、組織の資産と利用者の安全を守ります。
総務のファシリティ管理で必要なスキル、資格
総務のファシリティ管理には、特定のスキルや資格が必要です。ファシリティマネージャーは、広範な知識と経験を持ち、設備や施設の管理に関連する様々な業務を遂行するための能力を備えています。
ファシリティマネージャーに求められるスキル
ファシリティマネージャーとしてのスキルは、次のようなものがあります。
プロジェクト管理
ファシリティ管理には、多くのプロジェクトが含まれます。施設の改修や新築、設備の導入など、さまざまなプロジェクトを遂行するためには、プロジェクト管理のスキルが必要です。予算管理、リソースの計画、スケジュール管理の能力が求められます。
コミュニケーション
ファシリティマネージャーは、さまざまなステークホルダーとのコミュニケーションを円滑に行う必要があります。組織内の他の部門、外部の業者やベンダー、利用者などとの効果的なコミュニケーションスキルが求められます。問題解決や意思決定に関わる情報の共有や調整、要件の明確化などが重要です。
テクニカルスキル
ファシリティ管理には、特定の技術的な知識やスキルも必要です。例えば、建物や設備の保守や修繕に関する知識、エネルギー管理や環境への配慮に関する知識、安全管理やリスク管理に関する知識などが必要です。また、データ分析や施設管理システムの活用などのテクニカルスキルも重要です。
リーダーシップ
ファシリティマネージャーは、自身のチームや関係者をリードし、目標の達成に向けて方向を示す役割を果たします。リーダーシップのスキルには、チームビルディング、モチベーションの向上、問題解決のサポート、コンフリクトの解決などが含まれます。組織内での協調性や影響力を持ち、成果を上げるためのリーダーシップスキルが求められます。
ファシリティ管理における資格
認定ファシリティマネージャー
認定ファシリティマネージャーは、ファシリティ管理の専門知識とスキルを持つことを証明する資格です。この資格を取得することで、ファシリティマネージャーとしての信頼性と専門性を高めることができます。
認定ファシリティマネージャーの資格は、国や地域によって異なる場合がありますが、国際的なファシリティマネジメント協会(IFMA)や日本のファシリティマネジメント協会(JFMA)などが認定を行っています。この資格は、ファシリティマネージャーとしての基本的な知識やスキル、業務遂行能力を証明し、組織内外での信頼性を向上させる効果があります。
認定ファシリティマネージャーの資格取得には、一定の実務経験や試験の合格が必要な場合があります。資格取得のプロセスは厳密な基準に基づいており、ファシリティマネジメントの幅広い知識とスキルを網羅する内容となっています。資格取得によって、ファシリティマネージャーとしての信頼性や専門性が向上し、キャリアの発展や求人市場での競争力を高めることができます。
不動産証券化協会認定マスター
不動産証券化協会認定マスターは、不動産証券化に関する専門知識とスキルを持つことを証明する資格です。不動産証券化は、不動産資産を証券化して投資商品として取引する手法であり、不動産市場において重要な役割を果たしています。
不動産証券化協会認定マスターの資格は社団法人不動産証券化協会が認定を行っており、不動産証券化の基本的な知識や技術、市場動向などを網羅しています。
この資格を取得することで、不動産証券化に関する高度な専門知識とスキルを持ち、不動産証券化のプロセスやリスク管理などを適切に理解し実践できる能力を証明することができます。
不動産証券化協会認定マスターの資格取得には、一定の実務経験や試験の合格が必要です。資格取得のプロセスでは、不動産証券化に関する理論や実務知識の習得を目指し、豊富な学習教材やガイドラインが提供されます。この資格取得によって、不動産証券化の専門知識とスキルを持つことを証明し、不動産投資や不動産ファンドの運営などの分野でのキャリアの発展や信頼性の向上を図ることができます。
建築物環境衛生管理技術者
建築物環境衛生管理技術者は、建築物の環境衛生管理に関する専門知識とスキルを持つことを証明する資格です。建築物の環境衛生管理には、建物内の環境品質、空気品質、騒音、振動、照明などの要素が含まれます。
建築物環境衛生管理技術者の資格は財団法人ビル管理教育センター が国家試験や講習を実施しており、建物の環境衛生に関する基礎知識や技術、適切な管理手法や基準に関する知識を持っていることを証明します。
この資格を取得することで、建築物の環境衛生管理において専門的な知識とスキルを持ち、健康や快適性に配慮した環境を提供できる能力を証明することができます。
建築物環境衛生管理技術者の資格取得には、一定の実務経験や試験の合格が必要です。資格取得のプロセスでは、建築物の環境衛生に関する法規制や基準、環境測定技術などについて学ぶ機会が提供されます。この資格を取得することで、建築物の環境衛生管理に関する高度な専門知識とスキルを持ち、利用者の健康と快適性を確保する役割を果たすことができます。
以上の資格やスキルは、総務部門がファシリティ管理を適切に行うために重要です。これらの資格を取得することによって、専門的な知識とスキルを習得し、組織のファシリティ管理の品質と効率性を向上させることができます。
総務がファシリティ管理を行うポイントを紹介
総務部門がファシリティ管理を効果的に行うためのポイントを紹介します。これらのポイントは、効果的なファシリティ管理の実現に向けて重要な要素です。
市場調査と分析
市場調査と分析は、総務部門がファシリティ管理に取り組む上で重要なステップです。
他社のオフィス管理や施設運営の取り組みを調査し、ベストプラクティスやトレンドを把握することが重要です。他社の成功事例や失敗事例から学び、自社のファシリティ管理の改善点や新たなアプローチを見つけることができます。
さらに、文書やデータの調査も重要な要素です。過去のファシリティ管理の履歴や施設の利用状況、設備や機器のメンテナンス記録などを分析し、問題点や改善のポイントを特定することができます。データの分析を通じて、設備や機器の効率性やコスト面での課題を把握し、適切な改善策を立案することができます。
他社のオフィス管理、取り組みを調べる
総務部門は、他社のオフィス管理やファシリティ管理の取り組みを調査することで、ベストプラクティスを学び、自社のファシリティ管理に活かすことができます。
他社の成功事例や失敗事例を分析し、有益な知見を得ることで、効果的な施策や改善点を見つけ出します。他社の取り組みを参考にしながら、自社のファシリティ管理戦略を見直し、競争力を向上させることができます。
従業員からアンケートをとる
総務部門は、従業員からのフィードバックを収集するためにアンケート調査を実施することが重要です。従業員の意見や要望を把握することで、オフィスや施設の利便性や快適性に関する問題や改善点を特定することができます。
アンケート調査では、従業員の満足度や不満点、利用環境の改善要望などを包括的に質問することが重要です。従業員の意見を真摯に受け止め、改善策や施策の検討に反映させることで、従業員の満足度向上や働きやすい環境づくりに繋げることができます。
文書やデータを調査する
総務部門は、ファシリティ管理に関連する文書やデータを調査し、現状の把握や課題の特定に役立てることが重要です。過去の施策や計画、メンテナンス記録などの文書やデータを分析し、設備の状態や保守履歴、予算の使用状況などを把握します。
これにより、適切なファシリティ管理の戦略を策定し、効果的なリソースの配分や改善策の実施を行います。
設備や機器のコストを調査する
総務部門は、設備や機器のコストに関する詳細な調査を行うことで、経費の最適化や予算管理に役立てることができます。設備の稼働コストや保守費用、消耗品や予備部品の調達コストなどを詳細に分析しましょう。
コスト調査を通じて、設備や機器の使用効率やランニングコストに関する情報を把握することが重要です。これにより、コスト削減のポイントや効率的な予算配分の方針を立てることができます。また、予算管理や経費節約のために、設備の最適な購買や保守契約の見直しを行うことも重要です。
取り組みの効果を振り返る
総務部門は、ファシリティ管理の取り組みの効果を定期的に振り返ることが重要です。定量的なデータ分析や従業員のフィードバックをもとに、実施した施策や改善点の効果を評価します。効果のあった施策を継続し、効果が低かった施策を見直すことで、ファシリティ管理の品質を向上させます。また、組織の成果や目標に対するファシリティ管理の貢献度を評価し、継続的な改善を図ります。
このように、総務部門がファシリティ管理を効果的に行うためには、市場調査と分析、他社の取り組みの調査、従業員のアンケートの実施、文書やデータの調査、設備や機器のコストの調査などが重要です。さらに、取り組みの効果を定期的に振り返り、改善点を特定していくことも重要です。これらのポイントに注目しながら、総務のファシリティ管理を戦略的に展開し、組織の効率性や生産性の向上に貢献することができます。
災害・危機時にファシリティ管理に活用したいツールやサービス
災害時に施設の状況確認の情報を自動で集約できるサービス
BCP対策を推進するためのサービスの一つで、各拠点の情報を一元管理できるシステムを導入することで、状況に応じた迅速な対応が可能になります。
各拠点から報告される被害状況を一元管理することで迅速な対応・復旧へ繋げることができます。
拠点の被害状況だけでなく、従業員の安否確認の情報や、災害情報も1画面で確認できるサービスです。
災害に備えた体制の構築や防災訓練
災害や危機が発生するのに備えた体制の構築や防災訓練について、拠点の状況に応じた検討が必要になります。そこでレスキューナウではオフライン・オンラインののお打ち合わせを通して、安心安全な働く環境の構築に貢献しています。
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