楽しく防災知識が学べる!防災クイズ(火災編)
火災に遭遇したときに役立つ知識をクイズ形式で学べる内容となっております。
なお、本クイズは、オフィスで勤務する一般従業員向けの内容となっております。
※本記事の内容は、社内の防災研修などに限り、ご自由にご活用いただいて構いません。
この記事の目次[非表示]
- 1.防災クイズの活用方法
- 1.1.WEBフォームを活用する方法
- 1.2.安否確認システムを活用する方法
- 2.防災クイズ水害編 全10問(解説付き)
- 2.1.第1問 火災を発見したときに最初にすべきことは何でしょう?
- 2.2.第2問 消防が到着するまでに平均何分かかるでしょう?
- 2.3.第3問 避難するときは扉を開けておくべきか、閉めておくべきか
- 2.4.第4問 火災時に倒れている人を発見した場合の行動として誤っているものは?
- 2.5.第5問 火災における死因で最も多いものは次のうちどれでしょう?
- 2.6.第6問 火災で発生した煙を吸い込んだ場合、どのくらいで亡くなってしまうか?
- 2.7.第7問 防毒・防煙マスクの使用可能時間は何分でしょう?
- 2.8.第8問 階段が煙で覆われた場合の行動として誤っているものはどれでしょう?
- 2.9.第9問 初期消火が可能な火災の規模は、次のうちどれでしょう?
- 2.10.第10問 オフィスビルにある消火器について正しくないものは次のうちどれでしょう?
- 3.最後に
防災クイズの活用方法
防災クイズを社内で活用する方法について2つご紹介します。
WEBフォームを活用する方法
Googleフォーム等でクイズを作成し、業務の隙間時間で従業員に回答してもらう方法。
集計された点数で従業員の防災レベルを測り、正解率のアップをBCP活動計画などに盛り込むこともオススメです。
安否確認システムを活用する方法
普段実施している安否確認システムの応答訓練で、防災クイズを出題する方法。
安否確認システムの応答方法を習熟するだけでなく、防災知識も身に付くため、一石二鳥の方法です。
また、人間の心理として、クイズを出題されると答えが気になって思わず回答してしまうことがあると思います。安否確認訓練の応答率が上がらず悩んでいる場合、防災クイズを出題することで応答率が上がるかもしれません。
防災クイズ水害編 全10問(解説付き)
第1問 火災を発見したときに最初にすべきことは何でしょう?
A:大声で周囲に火災を知らせる B:まずは急いで通報する
C:消火器を取りに行き、初期消火する D:一目散に避難する
〈正解〉A.大声で周囲に火災を知らせる
火災を発見した場合の正しい手順は、下記の通りです。
①まずは「火事だー」と大声で周囲に知らせる。
②その後、速やかに消防へ通報する。
③初期消火を行う。
④その場から避難する。
※上記は、あくまで原則であり、状況により優先順位は異なります。
参考文献:東京消防庁「第 9章 通報 1火災を発見したら」
第2問 消防が到着するまでに平均何分かかるでしょう?
A:5分程度 B:7分程度 C:10分程度 D:15分程度
〈正解〉B. 7分程度
全国の平均では、7~9分程度と言われています。
工場などは消防署から少し離れた地域に建設されている場合もあるため、自社と消防署の距離をグーグルマップ等で調べて、時間を算出してみましょう!
〈算出条件の目安 〉
・消防士は、出動指令を受けてからおおよそ1分で出動してくれます。
・緊急車両の普通道路における制限速度は、時速80kmです。(道交法施行令 12条 3項)
※安全のため速度を落としたり、一時停止することを加味する必要があります。
参照:千葉市「消防雑学 Q A」 、総務省消防庁 「令和 4年版 救急・救助の現況」
第3問 避難するときは扉を開けておくべきか、閉めておくべきか
A:消防が到着したときに早く中に入れるよう、扉を開けたまま避難するべき
B:室内を密閉するため、扉を閉めて避難するべき
〈正解〉B. 室内を密閉するため、扉を閉めて避難するべき
空気の流入は、火災の延焼を助長させます。そのため、なるべき火災が起きている部屋は、扉や窓を閉めるべきです。
逆にカーテンやブラインドは可燃物のため、開けておく方が良いです。(防炎素材であれば閉めたままでも気にする必要はない)
ただし、いち早く火災現場から避難することが最優先されるため、扉を閉めていることで逃げ遅れてしまう場合は開けたままでも大丈夫です。
参照:京都市消防局「火災から命を守る避難の指針」
第4問 火災時に倒れている人を発見した場合の行動として誤っているものは?
A:まずは自分が避難して消防に通報する B:とりあえず外まで運び出す
C:動かすと危ないのでその場で手当てする D:大きな声で周囲に助けを求める
〈正解〉C. 動かすと危ないのでその場で手当てする
倒れている人を発見したらまずは安全確認が必須です。火災現場に留まることは危険なため、まずは安全な場所まで運び出すことが重要です。
自分一人では運べない場合は、大きな声で周囲の人に助けを求めましょう。
しかし、自分が逃げ遅れてしまう可能性がある場合は別です。まずは自分が安全な場所まで避難して救助を要請しましょう。※通報したときに、どこに倒れているかも伝えておきましょう。
参考文献:京都市消防局「心肺蘇生法の手順」
第5問 火災における死因で最も多いものは次のうちどれでしょう?
A:煙の吸引による窒息 B:火傷による急性ショック
C:建物崩壊による圧死 D:高温による心臓発作
〈正解〉A.煙の吸引による窒息
火災における死因は、下記の通りです。
①一酸化炭素中毒・窒息…36.8%
②火傷…36.2%
③自殺…8.8%
④打撲・骨折など…0.3%
参考文献:総務省消防庁「令和 4年版 消防白書」
第6問 火災で発生した煙を吸い込んだ場合、どのくらいで亡くなってしまうか?
A:数秒程度 B:10秒~30秒程度 C:1~2分程度 D:10分程度
〈正解〉C. 1~2分程度
一酸化炭素濃度により、体への影響は異なりますが、濃度0.5%以上の場合、 1 2分で意識を失い、亡くなると言われています。
一酸化炭素は無色無臭のため、避難中に気が付いたら意識を失っていることもあります。
ハンカチ等で口を押えて、体勢を低くし、浅く息をしながら避難しましょう。なお、一酸化炭素濃度に応じた症状については、下記よりご覧ください。
東京消防庁「煙の特性について」
第7問 防毒・防煙マスクの使用可能時間は何分でしょう?
A:5分 B:10分 C:20分 D:30分
〈正解〉C.20分
国内最長の使用時間を誇る「スモークブロック」は、最大20分です。※使用可能時間は、使用する空間の有毒ガス濃度により前後します。上記は、極限環境下(有毒ガスが蔓延している空間)で使用した場合の時間です。
スモークブロックの詳細や使用時間の検査方法等は、下記にて詳しく説明されています。
株式会社レスキュープラス「スモークブロック」
第8問 階段が煙で覆われた場合の行動として誤っているものはどれでしょう?
A:上階へ避難する B:ベランダや窓から避難する
C:窓から上体だけ外に出す D:煙の来ていない部屋に入り、目張りする
〈正解〉A.上階へ避難する
煙は天井面を流れ、階段など吹き抜けの場所から上階へ向かいます。そのため、上階に行けば行くほど、早い段階で煙が充満する可能性が高いです。
加えて、煙の広がるスピードは、水平方向は
0.5m/秒、垂直方向は 3 5m/秒程度。階段などで垂直方向に逃げる場合、人間の避難速度よりも速いため注意が必要です。
階段が使えない場合は、ベランダや窓から避難するか、外へ避難できない場合は、サバイバルポジションを取るか、部屋をテープなどで目張りして救助を待ちましょう。
参考文献:京都市消防局「火災から命を守る避難の指針」
第9問 初期消火が可能な火災の規模は、次のうちどれでしょう?
A:火の高さが自分の身長を超えるまで B:火の高さが天井に届くまで
C:壁に火が燃え移るまで D:フロア全体に延焼するまで
〈正解〉B.火の高さが天井に届くまで
一般的に初期消火で対応可能な範囲は、「火の高さが天井に届くまで」です。なお、天井に火がまわるまでの時間は、約2分半と言われています。つまり、初期消火は火災発生から3分程度まで、それ以降は速やかに避難となります。
下記にてわかりやすく解説されています。
一般財団法人日本防火・防災協会 「火災警報器 PRハンドブック」
事業所における初期対応については、下記も参考になります。
いわき市消防本部「市内の事業所でぼや!初期消火成功!!あなたの事業所、初期対応できますか?」
第10問 オフィスビルにある消火器について正しくないものは次のうちどれでしょう?
A:使用期限は無い B:火災の原因ごとに消火器の種類がわかれる
C:放射時間は15秒程度である D:放射距離は5m程度である
〈正解〉A.使用期限はない
正確には、消火器の種類やサイズによって放射時間や放射距離は異なります。消火器本体に使用期限や放射時間・距離が記載されているため、確認しておきましょう。
一番代表的な消火器は、「10型粉末消火器」と言われています。「10型粉末消火器」の放射時間は約13~15秒、放射距離は約3~6mです。
消火器の種類については、下記がわかりやすく参考になります。
一般社団法人日本消火器工業会 「消火器の選び方」
最後に
近年、オフィスビルや工場などへの放火により、従業員様が命を落としてしまう事例がニュース等でよく見られます。火災が起きた時に正しく行動できるかが、文字通り命運を分けます。
もしもの時に落ち着いて正しい行動が取れるよう、普段から定期的に知識の確認を実施することが大切です。
ぜひ防災クイズを活用して、防火意識を向上してもらえればと存じます。