何時間我慢できる?災害用トイレを備えるべき理由と使用後の注意事項
あなたは1日に何回お手洗いに行かれますか?
近いうちに発生すると言われている首都直下地震や南海トラフ地震に備えて防災備蓄品を導入している企業は多いのではないでしょうか。
なかでも忘れずに備えてほしいのが「トイレ」です。この記事では、災害発生後の状況を想定した災害用トイレの取扱いについて紹介します。
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トイレの備えが必要な理由
災害発生後、救助活動や自治体、警察、消防、官公庁等の緊急性の高い活動を優先させるため、3日間を目途に社内待機できるよう防災備蓄することが努力義務とされています(詳細はこちらの記事をご参照ください 【調査】防災備蓄は3日分を備えるべきか?根拠と事例紹介)。
その際、目の前で目に見える大きな被害は出ていなくても、水道管の破裂、停電、浄水場の被災、貯水池や貯水タンクへの被害などのために断水となる場合があります。そういった場合に必要となるのが災害用トイレです。断水の間は当然トイレは使用できませんので、災害用トイレを使用することとなります。
人間は食べる・飲むことに関しては数日間なくても何とかなる(もちろん飲食料の備えがあるに越したことはありません)というところはありますが、トイレについては催してから3時間も我慢できないケースが多いです。
トイレが安全かつ衛生的にできないと、トイレを我慢したことで体調が悪くなったり、トイレに行く回数を減らすために食事や水分を控えることで体調を崩してしまうということが過去の災害で起きています。
普段通りに近いかたちでトイレに行けるかどうかは健康面に大きく影響し、最悪の場合はトイレの準備が不十分なことによる二次災害も起こりかねません。トイレについてはよく選定をして十分な数量を確保することを推奨します。
トイレの目安数量
日本トイレ協会によりますと、トイレ使用頻度は成人1人1日5~7回と言われています。これを基に、最低「1人1日5回分」を3日分ということで「1人15回分」を目安に算出されることを提案します。具体的には、例えば従業員数100名の場合、1人15回×100人=1500回分の災害用トイレを用意する、ということになります。
災害用トイレの使用後はどこに捨てるか
では実際に災害用トイレを使用した場合、どのように廃棄するかまで想定できているでしょうか?
社内待機をしている間は、おそらくゴミの回収業者さんも来られない状況が考えられます。
そのため、災害用トイレを使用した後の一時保管場所というのも入念にご検討ください。通常のゴミ集積所に置いておけるのか、オフィスの共有部に保管させてもらえるのか、自社のオフィスフロア内や専有部内で保管する必要があるのか、様々なパターンが考えられます。どのような対応となるのか、一度オフィスビルの管理会社さんへ相談してみましょう。
一時保管場所のほかにも、災害用トイレの出し方は各自治体で指定されていることがあります。例えばレスキューナウ本社がある品川区では、
- 簡易トイレの弁袋を各戸収集場所に出す際には、衛生上の観点からビニール袋を二重にし、口を固く縛って出してください。
- ビニール袋の破損を防ぐため、袋内の空気をできるだけ除いてから出してください。
- 燃焼しやすくするため、ビニール袋内には新聞紙などの可燃物を混入して出してください。
※各戸収集での回収となりますが、詳細は区ホームページなどでお知らせするルールを守ってお出しください。
とあります。
発災時に初めてこれらを確認するとなると時間がかかったり混乱することも考えられますので、予め調べたうえで災害対応マニュアル等に加えておくとよいでしょう。
(参考:品川区災害廃棄物処理計画|品川区 (city.shinagawa.tokyo.jp)
災害用トイレには大別して吸水シートタイプ、凝固剤タイプ、長期保存タイプといったタイプがあり、15回分セットになったもの、コンパクトで保管しやすいもの、消臭力が高いものなど様々な特徴もあります。災害用トイレを使用する状況を想定し、どのような特徴のトイレが自社に適しているか検討してみてください。
レスキューナウの防災用品カタログでは選び方のポイントやオススメ商品を掲載しています。ご参考ください。
防災用品セレクトカタログ vol.2 P19 トイレ|レスキューナウ (rescuenow.co.jp)
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▽動画の4:52頃~、災害用トイレの使い方を説明しています。実際の製品一例を参考に、使用イメージを膨らませてみてください。
トイレットペーパー、ウェットティッシュ、生理用品等も忘れずに
意外と忘れがちなものがトイレットペーパーです。殆どの災害用トイレセットにはトイレットペーパーが含まれていませんので、別途用意が必要です。通常より使用回数が多いうえに備蓄スペースを削減できる災害用トイレットペーパーなどがあります。普段から十分な予備がない場合は、こういった便利な災害用トイレットペーパーの用意も検討しましょう。
トイレが使用できない状況では、手洗い場の水道も使用できないことが予想できます。衛生環境を保持し二次災害を防ぐ目的でも、ウェットティッシュやウェットタオルもぜひ備えてください。
なお、女性従業員用に生理用品もあるとよいでしょう。ただし、各個人の体質との相性など一括して備蓄することが難しいため、一人ひとり備えておくよう協力してもらうこともご検討ください。企業としては例えばトイレ内やロッカーに置き場所を設定する、ゴミ袋やトイレットペーパー、ウェットティッシュを多めに用意する等、生理用品以外の部分で配慮できることもあります。
▽おすすめのトイレ周り用品はこちら
防災用品セレクトカタログ vol.2 P33 衛生用品|レスキューナウ (rescuenow.co.jp)
十分にトイレ用品を備えて災害を乗り越えよう
一口に災害用トイレと言っても、考慮することがたくさんあります。災害用トイレは一番大事な備えと言っても過言ではありません。ぜひ想像力を膨らませて、トイレの備えを行ってください。
災害用トイレの選定や帰宅困難者対策についてお悩みがございましたら、ぜひレスキューナウにご相談ください。約20年、企業の防災・BCPをサポートしてきたレスキューナウが最適な商品を提案させていただきます。
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<参考>
一般社団法人 日本トイレ協会(https://j-toilet.com/)