クライシスコミュニケーションとは?リスクコミュニケーションとの違い
こんにちは。レスキューナウです。
突発的な災害・危機が発生した際、社内外においてどのようなコミュニケーションをとればいいのか、事前のとりきめをしていますか?
今回はクライシスコミュニケーションの基本となる概念や重要性、リスクコミュニケーションとの違いや、対策のポイントを解説します。
この記事の目次[非表示]
- 1.クライシスコミュニケーションとは?
- 1.1.クライシスコミュニケーションの基本概念
- 1.1.1.事前準備
- 1.1.2.リアルタイムの情報共有
- 1.1.3.透明性と誠実さ
- 1.2.クライシスコミュニケーションの目的や重要性
- 2.クライシスコミュニケーションとリスクコミュニケーションの違い
- 2.1.クライシスコミュニケーション
- 2.2.リスクコミュニケーション
- 3.クライシスコミュニケーションにおける対策
- 3.1.クライシスプランの作成・実施におけるポイント
- 3.1.1.責任範囲や実施事項を明確にする
- 3.1.2.迅速かつ正確な情報収集
- 3.1.3.事実に基づいたメッセージ
- 3.1.4.コミュニケーションチームの訓練
- 3.2.メディア対応のポイント
- 3.2.1.迅速に対応し、情報の歪曲を防ぐ
- 3.2.2.情報の正確性と透明性を保つ
- 3.3.ステークホルダーとのコミュニケーション戦略
- 3.3.1.関係者のニーズの理解
- 3.3.2.リアルタイムの情報提供
- 3.3.3.フィードバックの収集
- 4.まとめ
クライシスコミュニケーションとは?
クライシスコミュニケーションは、組織が突発的な危機や問題に対して、的確で効果的な情報を迅速に伝えるプロセスです。組織の信頼性を維持し、評判を保護する上で非常に重要な役割を果たします。
危機が発生した際、組織は正確な情報を提供し、関係者や一般の人々に対して透明性と信頼性を保つ必要があります。この過程は、組織が周囲からの信頼を築く機会にもなり得るのです。
クライシスコミュニケーションの基本概念
クライシスコミュニケーションは、
- 事前準備
- リアルタイムの情報共有
- 透明性と誠実さ
これらが基本です。以下それぞれ解説します。
事前準備
クライシスが発生する前に、組織は事前に対応策やコミュニケーションプランを策定します。適切なチームや担当者を指名し、迅速な対応を可能にします。
リアルタイムの情報共有
クライシスが発生した場合、情報の収集と共有が重要です。正確な情報を関係者に提供することで、混乱や誤解を避けることができます。
透明性と誠実さ
信頼を築くためには、情報の隠蔽や誤魔化しを避け、誠実な対応が求められます。透明性を保つことで信頼関係が築かれます。
クライシスコミュニケーションの目的や重要性
クライシスコミュニケーションの主な目的は
- 情報の正確性を担保し、誤解や混乱を避ける
- 関係者や顧客との信頼関係の維持
- 組織の評判を守る(レピュテーションリスク対策)
- 公共の安全
が挙げられます。
クライシスコミュニケーションは、組織が危機を乗り越えるために不可欠です。公共の安全や組織の存続に直結する重要な役割も果たしています。
適切なコミュニケーションが行われない場合、情報の歪曲や誤解が生じ、組織や個人の評判に悪影響を及ぼします。
クライシスコミュニケーションとリスクコミュニケーションの違い
クライシスコミュニケーションとリスクコミュニケーションは、危機的な状況に対する情報伝達のプロセスですが、それぞれのアプローチには以下のような違いがあります。
クライシスコミュニケーション
既に発生した危機的状況に対して、組織が的確かつ迅速に情報を提供するプロセスです。これは、評判の保護や公共の安全の確保に焦点を当てています。
具体的な事例として、製品の欠陥や自然災害の際に、組織は速やかに関係者や一般の人々に対して正確な情報を提供し、対応策を共有します。
重要な戦略としては専門家の意見を活用し、透明性を保ちながら情報を提供することが挙げられます。
リスクコミュニケーション
将来的に起こりうる潜在的なリスクや危険に対して、事前に情報を提供し、それに対する対策や対応を考えるプロセスです。
例えば、製品の設計段階で潜在的なリスクを予測し、それに対する対策を練る場合があります。このアプローチは、リスクの予測と予防が重視されます。
重要な戦略としてはリスクの評価を行い、その結果に基づいて対策を策定することが挙げられます。
クライシスコミュニケーションにおける対策
クライシスコミュニケーションにおける対策について、クライシスプランの作成・実施、メディア対応、ステークホルダーとのコミュニケーションにおけるポイントを解説します。
クライシスプランの作成・実施におけるポイント
責任範囲や実施事項を明確にする
クライシスプランを予期せぬ危機や緊急事態に備えて事前に策定します。
まずはどのような状況をどの程度の範囲で対応するのかを明確になっている必要があります。
その上でプラン内での部署・担当者の責任を明確に設定することが大切です。
迅速かつ正確な情報収集
クライシスが発生した際には、迅速かつ正確な情報の収集が重要です。
複数の情報源からのデータを集め、その情報の正確性を確認しましょう。これによって、正確な状況把握が可能となります。
事実に基づいたメッセージ
事実に基づき、透明かつ誠実なメッセージを作成します。クライシスの原因、影響、対策についての情報を明確に伝えることで、信頼を築くことができます。
コミュニケーションチームの訓練
クライシスコミュニケーションを担当するチームを訓練し、適切な対応ができるよう準備します。シミュレーションや練習を通じて、チームの協力や、優先順位を意識した迅速な判断力を養うことが大切です。
メディア対応のポイント
迅速に対応し、情報の歪曲を防ぐ
メディアの関心が高い場合、迅速な対応が求められます。
情報発信が遅れると、情報が歪曲したり誤解されたりするので、なるべく早く事実情報をもとに対応したいです。
情報の正確性と透明性を保つ
メディアに提供する情報は正確であり、透明性があることが重要です。
誤解や誤報を避けるために、事実に基づいた情報を提供することが大切で、透明性を保つことで、関係者との信頼関係を維持することに努めましょう。
ステークホルダーとのコミュニケーション戦略
関係者のニーズの理解
関係者の立場やニーズを理解し、それに基づいてコミュニケーションを行います。
関係者が抱える不安や期待を理解した上でコミュニケーションをとることが、今後の良好な関係性に繋がります。
リアルタイムの情報提供
関係者には正確な情報を極力リアルタイムで提供することが安心感につながります。
情報が遅延してしまったり、情報が不確かだった場合、不安を引き起こす要因となってしまいます。
フィードバックの収集
関係者からのフィードバックを収集し、対応策の改善に活かすのも一手です。
関係者の声を真摯に受け止める姿勢が信頼感に繋がるとともに、それらのフィードバックが自社の体制を強化するきっかけになるかもしれません。
まとめ
クライシスコミュニケーションの基本となる概念や重要性、リスクコミュニケーションとの違いや、対策のポイントを紹介してきました。
レスキューナウではクライシスコミュニケーション、リスクコミュニケーションなど危機管理における専門的な支援を行っています。
危機管理において課題やお悩みをお持ちの方はお気軽にこちらの窓口でご相談ください。
参考になる記事:
・厚生労働省「リスクコミュニケーションの今後の進め方について」
・農林水産省「危機にあたってのコミュニケーション」
・環境省「リスクコミュニケーションの推進方策」