ローリングストックとは?|実践するポイントやおすすめ食品をご紹介
こんにちは。レスキューナウです。
日本はその位置や地形、気象などの多様な要因から、地震、台風、豪雨、津波、火山噴火といった自然災害が非常に多い国です。
国土面積は世界のたった0.25%ながら、マグニチュード6以上の地震の発生回数は20.8%、活火山数は7.0%。世界の災害被害額ランキングを見ても、上位2位が日本で発生した災害となっており(1位:東日本大震災、2位:阪神・淡路大震災)、我が国がいかに自然災害と向き合ってきたかがわかります。
そんな、いつ何が起きるかわからない状況に備えて防災グッズや非常食を準備している方もいらっしゃるかと思いますが、一方で賞味期限がある食品や飲料などの管理に手間を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、皆さんにより手軽に、効率的に備蓄をしていただくためのコツとして「ローリングストック」についてご紹介します。
こんな方におすすめ!
- いざという時のためだけに非常食を準備することが面倒に感じる方
- 準備していた非常食の期限がうっかり切れてしまっていた経験のある方
- 社内の備蓄品管理にお困りの防災担当者様
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ローリングストックとは
ローリングストックとは、普段食べる食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限が近付いてきたものから消費し、消費した分を買い足す備蓄方法であり、2019年に農林水産省が提唱しました。
「日常的に消費する食品とは別に、非常用の食品を事前に準備しておく」という従来の考えではなく、「日常的に食べているものを非常時にも食べられるようにする」という新しい備蓄法として注目されています。
常に一定量が備蓄されている状態を保てることから、いざという時に期限が切れてしまっていたという事態を防ぐことができます。
ちなみに、ローリングストックは食品に限らず、日常的に使用するウェットシートや乾電池などの生活用品にも応用できる考え方です。
ローリングストックのメリット
ローリングストックを取り入れることで得られるメリットは複数ありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。
備蓄品の期限切れが起きにくく、食品が無駄にならない
ローリングストックは、基本的に賞味期限が近付いてきたものから普段の生活の中で消費し、新しいものを買い足していくので、備蓄品の期限切れを防止できます。
賞味期限は消費期限とは違い、期限を過ぎたらすぐに安全に食べられなくなるわけではありません。
しかし、日本国内における食品ロスの量は年間472万トン、1人当たり約38kg(令和4年度推計値)とされており、こうした食品ロスの削減もローリングストックが注目された1つのきっかけです。
非常時にも食べ慣れているものを食べられる
災害発生時は、交通インフラの損傷や生産ラインの中断によってスーパーやコンビニなどでの商品の欠品、納期遅延が相次いで発生する可能性があります。
すると、普段食べているものがなかなか手に入らず、ただでさえ不慣れな状況の中で慣れない食事をとることになり、それがストレスになってしまう方も出てくるでしょう。
また、子供はそういった状況に敏感に反応するため、お子さんがいる家庭の場合はいつも食べているお菓子を普段から少しだけ多く買い置きしておくだけでも安心です。
多種多様なものを備えられ、栄養バランスも考えられる
非常食の多くは空腹を満たすこととエネルギー補給を目的としているため、ごはんやパン、麺などの主食が中心になりがちです。
そのため、ビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養素が不足しがちになり、災害発生後は便秘やロ内炎といった体調不良を起こしやすいといわれています。
ローリングストックは普段の生活の中で自然に消費のサイクルを回していくため、期限切れを極端に気にする必要がなく、好きなものや様々な種類の食品を備えられます。
ローリングストックのポイント
ローリングストックを実践して上手に備蓄をするために、3つのポイントを解説します。
賞味期限の近いものから消費する
1つ目のポイントは、賞味期限の近いものから消費していくことです。
緊急時に古くなっていて食べられないということがないように、食品は必ず期限の一番近いものから使っていきます。
期限が近いものは前に置き、買い足したものを後ろに入れていくと期限管理が楽になります。
また、パッケージ裏などの賞味期限が表示されている面が見えるように並べておくことで、ふとした時に「そろそろ食べようかな」という意識を持つことができるのでおすすめです。
消費した分は必ず補充する
2つ目のポイントは、消費した分は必ず補充することです。
ローリングストックでは、日常的に消費する食品が非常食の役割を兼ねるため、常に一定量を保つようにすればストックしているものはいつ消費しても構いません。
ただし、災害はいつ発生するかわからないため、消費した分はなるべく早めに補充するようにしましょう。
消費した翌日とは言いませんが、遅くとも1週間を目途に補充しておきたいところです。
カセットコンロとガスボンベを用意しておく
3つ目のポイントは、カセットコンロとガスボンベを一緒に準備しておくことです。
災害時は電気や水道、ガスが止まり、食品の温めや調理が難しい状況になることが想定されます。
ローリングストックでは日常的に消費する食品を非常時にも活用するため、そのまま食べられるものを除くと加熱調理が必要なものがいくつかあります。
被災後は温かい食べ物を食べられることが想像以上に大きな安心材料となることに加え、せっかく備蓄をしておいた食品をおいしく食べるためにもカセットコンロとガスボンベを忘れずに準備しておきましょう。
ちなみに東京ガスによると、食事のためだけに使用することを想定した場合、4人家族で1週間に5本程度のガスボンベが必要になると試算されています。
ローリングストックにおすすめの食品
備蓄というと何か特別なものを準備しなければいけないと思ってしまいますが、ローリングストック実践のために選ぶ食品のポイントはたったの4つです。
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ただし、上記全ての条件を満たす必要はないので、普段食べてるものや飲んでいるものの中から条件を満たしそうなものを探してみると良いでしょう。
ローリングストックにおすすめの食品例
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缶詰はタンパク質の摂取、お菓子は糖分補給やストレス軽減につながるなど、食品の選び方次第で被災後の生活で不足しがちな栄養素を上手に補うことができます。
また、食品の他に準備しておかなければいけないものとして水があります。
水は食品と違って容積が変わらないため、ローリングストックによる入れ替え時の手間の軽減や保管場所の問題の緩和による恩恵を受けやすいです。
備蓄食品についてより詳しく知りたい方は、農林水産省が出している「災害時に備えた食品ストックガイド」を参考にしてみてください。
ローリングストックを続けられない理由は?
ここまでメリットやおすすめ食品についてご紹介してきましたが、中には「ローリングストックをやめた」という方もいらっしゃいます。
その理由としてよく挙げられるのは以下の2つです。
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解決策としては、「1週間の中で備蓄を活用した料理を食べる日を決めておく」「保管場所を1ヶ所にするのではなく、数ヶ所に分けて分散備蓄を行う」という方法があります。
しかし、消費した食品をその都度購入するのが面倒に感じるなど、どうしてもローリングストックが自分の生活スタイルに合わないという方もいらっしゃいます。
ローリングストックはあくまで手段の1つにすぎず、目的はいざという時のために備えておくことです。
少しお値段は張りますが長期保存ができる非常食をまとめて購入し、数年に1回在庫の管理をするという従来の備蓄方法はもちろん、自分に合った防災備蓄の方法を探してみましょう。
ローリングストックは企業にもおすすめ
ローリングストックは主に家庭内における備蓄の考え方ですが、応用することで企業でも実践できる備蓄方法です。
とはいえ、企業におけるローリングストックは日常的に消費する食品に適用するのではなく、期限が近づいた非常食を従業員に配布し、配布した分を補充するという方法です。
そこでまず初めにおすすめしたいのは、自社の今のリソースを確認してみるということです。
社内にウォーターサーバーや飲料のセルフ販売、停電対応自販機はあるでしょうか。その他、お菓子の無人販売や従業員用のカップ麺等の購入はいかがでしょう。
もしこれらの準備があれば、発災後1日目は防災備蓄品に頼らずにしのげる可能性があります。
しかし、ここでも「備蓄品の期限管理が面倒」といったお声をよく耳にします。
基本的に企業の防災備蓄は期限が5~10年程度の非常食と、明確な使用期限のない生活用品などが1つにまとめられているものが多いですが、その分、入れ替え時の手間やコストがかかりがちです。
そういった皆様のお声に応えるため、レスキューナウでは完全オリジナルの防災備蓄セットを販売しています。
ユニット1Dayレスキューは、社員ひとり分の必要最低限1日分の食料や生活用品を分離したうえでA4サイズのコンパクトな箱におさめることで、入れ替え時の手間やコストの削減、保管スペースなどの問題を一気に解決できる商品です。
本棚や一般的なデスクのサイドキャビネットにすっぽりと入るサイズになっているため、発災後1日目の分は各自のデスクに配布し、ある程度状況が落ち着いてくる2日目、3日目の分は倉庫に収納しておくといった分散備蓄にも簡単に対応できます。
また、レスキューナウではオリジナル防災備蓄セットの他にも、たくさんの商品を取り揃えたオンラインショップや無料の防災備蓄相談窓口をご用意しております。
企業向けの防災備蓄品はどのようなものがあるのか気になる、防災備蓄に関する課題はあるがどこに相談したらいいのかわからないという方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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